感染症制圧用情報技術の実用化に向けた多施設フィールドトライアル

令和5年度採択 
ソリューション創出フェーズ

研究代表者:奥村 貴史
(北見工業大学 工学部 教授)

協働実施者:人見 嘉哲
(北海道 保健福祉部 技監)

提案の概要

【解決すべき社会課題・ボトルネック】

今回のパンデミックにおいて、感染対策の多くは関係者による手作業に担われた。保健所では、感染経路の解明、検査の手配、隔離や入院調整といったあらゆる過程を人力が担った。国内感染者数の集計という感染対策の根幹すら、医療機関から地方自治体、政府へと至る関係者間の手作業により支えられた。そこで、これらの業務負担を軽減し、感染爆発時においても保健所を中心とした地域の感染症対策を維持し得る情報技術が切望されてきた。

【活用する技術シーズと解決するための手法】

本プロジェクトは、感染者より移動・行動情報を効率的に収集し、公衆衛生当局による感染対策を迅速化する情報技術を実現する。そのために、北大グループによるユーザーインターフェース研究、奈良先端大グループによる文章中の地理空間情報の効率的な抽出研究、東大グループによる感染リスクの推論処理研究を元に、北見工大グループによって開発した技術を学内および北見エリアの組織において実地検証する。その上で、北海道庁などと協力し、北見市内の多施設や道内他地域での実用化に向けた技術評価を行うとともに、さらなる展開に向けた共通項目および個別項目の検証を進める。

【他地域への展開想定】※1

北見地域での実用化と評価研究を進めた上で、関連学会における研究成果の発表を行うとともに、感染症危機管理に関わる国内の公的組織や関係団体へと研究成果を広報する。これにより、国または地方自治体における施策としての採用を目指し、積極的疫学調査を中心とした感染対策手段の技術革新を図る。また、公的機関だけでなく、独自に感染対策を進める医療機関や大規模事業者における感染対策手段としての採用を目指す。

※1 ソリューション創出フェーズでは、実証試験地以外の地域に取り組みを展開・普及させるための準備として、取り組みの導入に必要な適用条件や環境設定を提示する。

研究開発への参画・協力機関

  • 北見工業大学 工学部
  • 北海道 保健福祉部
  • 北海道大学 大学院情報科学研究院
  • 奈良先端科学技術大学院大学
  • 東京大学 大学院人文社会系研究科

奥村プロジェクト概要図

特に優先するゴール※2

  • 目標3:すべての人に健康と福祉を
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう

※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。

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