高リスク地点予測に基づく害獣モニタリング環境を活用した住民・自治体関係者との協働による獣害対策のシナリオ創出

令和6年度採択 
シナリオ創出フェーズ

研究代表者:齋藤 寛
(会津大学 コンピュータ理工学部 教授)

協働実施者:諏訪 慎弥
(福福島県 会津地方振興局県民環境部 副部長(総務)兼 県民生活課 課長)

提案の概要

【解決すべき社会課題・ボトルネック】

全国で獣害が社会課題となっている。人々が安心して暮らすためには、獣害の少ない集落作りが必要で、獣害対策を行うためには住民の意識醸成や住民同士の協力、自治体との連携が欠かせない。また、過疎・高齢化が深刻な社会課題となっている。過疎・高齢化によって、これまで行ってきた獣害対策ができなくなる懸念がある。こうした経緯より、AIやIoTにて負担を軽減する効率的な対策支援が求められている。

【活用する技術シーズと解決するための手法】

本プロジェクトでは、高リスク地点予測に基づいた害獣のモニタリング環境を構築することで、住民や自治体関係者の獣害対策の負担削減を図るとともに、獣害に対する住民の意識醸成を支援する。また、構築する環境を可能性試験で活用し、住民や自治体関係者との協働を通じて獣害対策に対する負担削減の効果や意識醸成の効果を確認する。提案する環境の実現のために、期間中以下の3項目を実施する。

項目1 野生動物の出没と獣害の調査・リスク予測
項目2 リスク予測に基づいた害獣モニタリングと侵入対策
項目3 検出情報の解析による獣害対策支援と可視化による住民の意識醸成支援

【可能性試験の実施計画】※1

可能性試験は、獣害対策が異なる福島県会津地方の3地区(会津美里町八木沢地区、会津若松市一箕町長原地区、会津若松市東山町)にて行う。プロジェクトが提案する環境を用いて、地区ごとにリスク予測を行い、獣害リスクが高いところに技術シーズである野生動物警報装置などを設置し、害獣のモニタリングと侵入対策を行う。また、得られた画像より獣害対策に有用な情報を解析し、住民や自治体関係者に周知する。これらを通じて、効率化や負担削減の効果を確認する。一方、周知された情報から地区ごとに獣害対策を行うようになった人の割合の確認、およびアンケートを通じて住民の意識醸成に対する効果を確認する。

※1 シナリオ創出フェーズでは、社会課題を解決する社会システムを想定し、技術シーズを活用した解決策(シナリオ)における社会実装の可能性を検証する。

研究開発への参画・協力機関

  • 会津大学 コンピュータ理工学部
  • 福島県 会津地方振興局
  • 福島大学 食農学類
  • 株式会社うぃるこ
  • 福島県 生活環境部自然保護課
  • 株式会社日本遮蔽技研
  • 会津大学 産学イノベーションセンター

齋藤プロジェクト概要図

特に優先するゴール※2

  • 目標11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。

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