誰もが一票を届けることができる、有権者フレンドリーな投票実現のためのシナリオ構築

令和6年度採択 
シナリオ創出フェーズ

研究代表者:村岡 詩織
(島根県立大学 地域政策学部 講師)

協働実施者:平林 浩一
(狛江市 副市長)

提案の概要

【解決すべき社会課題・ボトルネック】

選挙は、社会に自らの声を届ける最大の手段でありながら、障がいのある人の投票率は極めて低い。背景には、自治体の調査不足による対応策のずれ、当事者による投票障壁の申し出のしづらさ、期間限定的かつ緊張感の高い投票事務への新たな対応策の導入障壁、有用事例を全国展開する手段の不足などがある。また、投票障壁への対応の多くは各自治体の裁量に委ねられており、対応の差あるいは負担の解消や最適化が急がれる。

【活用する技術シーズと解決するための手法】

本プロジェクトでは、現行制度が内包する投票障壁の多くを抱えている視覚障害あるいは知的障害のある有権者の投票実態を明らかにし、包括的な改善策を構築する。具体的には、技術シーズとしての視覚障害のある方向けの「投票準備ガイド」を機能拡張し、選挙に関する情報保障、投票の段取りの分かりやすさ、投票行動を完遂できる投票所環境の整備などに向けた自治体および有権者向けの策を構築する。最終到達点として、自治体と有権者への中間支援プラットフォームを設立し、全国への展開を図る。

【可能性試験の実施計画】※1

可能性試験は、協働実施機関である東京都狛江市とその他自治体において、実際の投票所環境に忠実な条件下で行う。構築した投票改善策を導入した上で、情報取得あるいは意思表示のしやすさ、投票体験全体の見通しやすさなどの点から、当事者の投票負荷や自治体の運営負荷の低減が見られたかどうか確認を行う。

※1 シナリオ創出フェーズでは、社会課題を解決する社会システムを想定し、技術シーズを活用した解決策(シナリオ)における社会実装の可能性を検証する。

研究開発への参画・協力機関

  • 島根県立大学 地域政策学部
  • 狛江市
  • 狛江市手をつなぐ親の会
  • 狛江市社会福祉協議会
  • 狛江市障害福祉サービス等事業所連絡会
  • 狛江視覚障害者の会
  • 京都産業大学 外国語学部
  • 九州大学 大学院芸術工学研究院
  • 一般社団法人選挙制度実務研究会
  • 浜田市選挙管理委員会
  • 一般社団法人生き方のデザイン研究所

村岡プロジェクト概要図

特に優先するゴール※2

  • 目標10:人や国の不平等をなくそう
  • 目標16:平和と公正をすべての人に

※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。

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