ヤングケアラー負担ゼロに向けた家族まるごと支援を促進するシナリオ創出

令和6年度採択 
シナリオ創出フェーズ

研究代表者:門田 行史
(自治医科大学 医学部小児科学 准教授)

協働実施者:磯 翔
(一般社団法人Apple Base 理事長)

提案の概要

【解決すべき社会課題・ボトルネック】

ヤングケアラーとは、家族の介護や日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者であり、全国に150万人以上存在する。日常生活や健康に支障をきたすことが多いが、「家族だから助けるのは当たり前」との前提に縛られ、当事者からの申告が少なく、認知されにくい。また、専門の支援者がいない、ヤングケアラー同士の交流の場がないなどの地域格差もあり、行政や教育機関などの地域接点で早期に発見し、継続的な支援につなげることが難しい。

【活用する技術シーズと解決するための手法】

本提案では家族まるごと支援の枠組みの中で以下の提案内容を実装する。那須塩原市や那須町の「こどもの居場所」を核として、客観的な家族の介護データなどからヤングケアラーを早期に発見し、対面とオンラインを活用し子どもの健康的で充実した生活を支援する体制を構築する。また、事業の効果的な展開を図るために、必要なリソースの確保とスタッフの能力強化を行い、持続可能な多地域展開を目指した体制整備を進めていく。

【可能性試験の実施計画】※1

「ヤングケアラー早期検出システム」で得た情報を市町村へ提供し、民間の「こどもの居場所」が支援を提供する。具体的には、仮想空間・現実空間からなる「ピアサポートシステム」支援グループにつなぎ、「支援者育成プログラム」によって育成されたメンターから、経験に基づいた助言、心身の不調ケア、支援サービスの紹介などを提供する。心の健康を数値化し、アプリ上で確認しながら個別支援を最適化する。

※1 シナリオ創出フェーズでは、社会課題を解決する社会システムを想定し、技術シーズを活用した解決策(シナリオ)における社会実装の可能性を検証する。

研究開発への参画・協力機関

  • 自治医科大学 医学部小児科学
  • 一般社団法人Apple Base
  • 国際医療福祉大学 保健医療学部作業療法学科
  • 国際医療福祉大学付属病院小児科
  • 中央大学 文学部人文社会学科
  • 宇都宮大学 地域デザイン科学部建築都市デザイン学科
  • 東北福祉大学 総合福祉学部社会福祉学科
  • 那須塩原市
  • 那須町
  • 株式会社アルム
  • 株式会社ディー・エヌ・エー
  • 株式会社タイミー
  • 認定NPO法人カタリバ
  • 公益財団法人日本財団
  • 子育て応援Issho-w
  • 一般社団法人えんがお

門田プロジェクト概要図

特に優先するゴール※2

  • 目標3:すべての人に健康と福祉を
  • 目標4:質の高い教育をみんなに
  • 目標10:人や国の不平等をなくそう

※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。

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