移動困難者の回遊・交流・社会参加を実現する公共空間マネジメントDXプラットフォームのシナリオ創出

令和5年度採択 
シナリオ創出フェーズ

研究代表者:高取 千佳
(九州大学 大学院芸術工学研究院 准教授)

協働実施者:清水 邦之
(福岡市身体障害者福祉協会 会長)

提案の概要

【解決すべき社会課題・ボトルネック】

日本には400万人以上の身体障がい者が存在する。超々高齢社会を迎える現在、身体障がい者や高齢者などの移動困難者が回遊・交流・社会参加を楽しめる空間的社会的環境整備が不可欠である。公共空間では、①ハード面での障がいの種類・程度などの個人差への対応の不足、②市民や地域、街の事業者との相互理解・サポート体制の欠如、③移動困難者が必要な交流・社会参加に必要なサービス情報の不足、④交流不足による災害時のリスク増大などの課題がある。

【活用する技術シーズと解決するための手法】

本プロジェクトでは、①個人の障がいの程度や状況に応じた移動抵抗の可視化や最適ルート提示技術、②AI人流予測技術、③移動困難者とサポーターのマッチング技術、④コミュニティー参加型DXツールといった技術シーズを活用し各自治体などのデータ連携基盤上に搭載可能なDXプラットフォーム構築に向けたシナリオ創出を行う。

【可能性試験の実施計画】※1

車椅子センシング・AIカメラを活用し、移動困難者のバリア・快適情報を蓄積し、個人の状況に応じた回遊ルートを提示するシナリオ、移動困難者と街のサポーターをマッチングすることで、信頼感を醸成しながら街と人の「思いやり経験値」を可視化するシナリオ、街の管理者・事業者による効果的な公共空間の再整備やイベント実施者の「支援マーク」による適切なサポート提示シナリオを創出し、PDCAを実施。平行して国内の他地域とも連携し、全国展開・汎用化に向け、移動困難者の回遊・交流・社会参加が可能となる参加型DXプラットフォームのシナリオを創出する。

※1 シナリオ創出フェーズでは、社会課題を解決する社会システムを想定し、技術シーズを活用した解決策(シナリオ)における社会実装の可能性を検証する。

研究開発への参画・協力機関

  • 九州大学 大学院芸術工学研究院
  • 九州大学 大学院人間環境学研究院
  • 福岡市身体障害者福祉協会
  • 九州先端科学技術研究所
  • NECソリューションイノベータ株式会社
  • ジオテクノロジーズ株式会社
  • 株式会社Ashirase
  • Divers Project

高取プロジェクト概要図

特に優先するゴール※2

  • 目標3:すべての人に健康と福祉を
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標11:住み続けられるまちづくりを

※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。

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