複数の運行形態を組み合わせた公共交通サービスの共創支援シミュレーション手法の構築

令和5年度採択 
シナリオ創出フェーズ

研究代表者:金森 亮
(名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所 特任教授)

協働実施者:今枝 秀二郞
(株式会社日建設計総合研究所 都市部門 研究員)

提案の概要

【解決すべき社会課題・ボトルネック】

地方都市では自家用車による移動が大部分を占めており、公共交通による日常生活移動は相対的に利便性が低い。一方で高齢化に伴う自動車運転免許返納者が増加するため、自家用車以外での移動環境の確保・改善が必要である。さらに公共交通の運転手不足も顕在化しつつある。より効率的で地域特性に応じた持続可能な公共交通サービスを自治体、住民、交通事業者などと共創していくことが求められるが、それを支援するシミュレーション手法が確立されていない。

【活用する技術シーズと解決するための手法】

複数の運行形態を柔軟に組み合わせることで、地域特性や利用者ニーズに応じた地方都市版MaaSのサービス共創支援手法の構築を目指す。具体的には、長野県伊那市の主に高齢者を対象としたAIオンデマンド交通のサービス改善・高度化の検討の一環として、利用実績データに基づく効率性向上のシミュレーション評価に加えて、複数の運行形態を組み合わせた動的運用設計を支援するAI技術を開発し、時間帯別Door to Doorのオンデマンド型と定時定路線型などを組み合わせた公共交通サービスの共創支援シミュレーション手法の構築に取り組む。

【可能性試験の実施計画】※1

前半1年間はシミュレーション評価モデルの構築と動的運用設計を支援するAI技術を開発する。同時に、現状のサービス改善要望や、複数の運行形態を組み合わせるサービスの妥当性と実現可能性を、自治体、住民(利用者)、交通事業者などと議論する。後半1年間では既存の路線バスとAIオンデマンド交通を最適化した公共交通サービスの再設計として、シナリオ作成を行う。さらに他都市への展開可能性として、公共交通サービスの共創支援シミュレーション手法によるシナリオ作成の妥当性を把握する。

※1 シナリオ創出フェーズでは、社会課題を解決する社会システムを想定し、技術シーズを活用した解決策(シナリオ)における社会実装の可能性を検証する。

研究開発への参画・協力機関

  • 名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所
  • 北海道大学 大学院情報科学研究院
  • 株式会社日建設計総合研究所
  • 株式会社未来シェア
  • 長野県伊那市
  • 群馬県前橋市
  • 岩手県紫波町

金森プロジェクト概要図

特に優先するゴール※2

  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。

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