科学的根拠に基づくPPP/PFI道路インフラマネジメント手法の構築と社会実装

令和5年度採択 
シナリオ創出フェーズ

研究代表者:貝戸 清之
(大阪大学 大学院工学研究科 教授)

協働実施者:川井 晴至
(前田建設工業株式会社 経営革新本部 参事役)

提案の概要

【解決すべき社会課題・ボトルネック】

国内各地で道路インフラの団塊的な老朽化が進行している。しかし、それらの管理者である公共団体、特に一部の地方自治体では、厳しい予算制約、人的リソースや技術力の不足から、道路インフラの適切な管理が困難な状況にある。このような状況・課題に対応するため官民連携(PPP/PFI)事業が全国で検討されている。官民連携による社会課題解決のために、官民間で合意可能な科学的根拠に基づく管理指標と、それを用いたマネジメント手法が求められている。

【活用する技術シーズと解決するための手法】

目視点検データを用いた統計的劣化予測技術(混合マルコフ劣化ハザードモデル)と費用効率性評価技術(確率的フロンティア分析)を技術シーズとし、公共団体に代わって、民間主導の資金、人材、技術を活用するPPP/PFI事業を加速的に進展させるため、科学的根拠に基づく最適維持管理手法、事業導入効果の定量的評価手法を開発・実装して、インフラ老朽化問題という社会課題の解決を目指す。

【可能性試験の実施計画】※1

2016年10月から道路コンセッション事業が実施されている愛知県有料道路をフィールドとして、以下に示す3つの実施項目を行う:1)路面性状調査データを用いた舗装の劣化予測と要因分析、2)PPP/PFI事業のための最適維持管理計画、3)PPP/PFI事業導入効果の定量的評価。さらに、研究開発の成果を他の自治体での官民連携事業に展開させるため、PPP/PFI契約書の雛形やシステムの開発、そしてその普及・定着のための計画を組み込んだ事業シナリオを策定する。

※1 シナリオ創出フェーズでは、社会課題を解決する社会システムを想定し、技術シーズを活用した解決策(シナリオ)における社会実装の可能性を検証する。

研究開発への参画・協力機関

  • 大阪大学 大学院工学研究科
  • インフロニア・ホールディングス株式会社
  • 前田建設工業株式会社
  • 愛知道路コンセッション株式会社
  • 株式会社NTTドコモ
  • エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社

貝戸プロジェクト概要図

特に優先するゴール※2

  • 目標8:働きがいも経済成長も
  • 目標11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標12:つくる責任つかう責任

※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。

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