市民のSDGs取組に向けた行動変容のためのミュージアム活用シナリオの創出

令和4年度採択 
シナリオ創出フェーズ

研究代表者:佐々木 亨
(北海道大学 大学院文学研究院 教授)

協働実施者:佐久間 大輔
(大阪市立自然史博物館 学芸課 課長)

提案の概要

【解決すべき社会課題・ボトルネック】

SDGs達成は、社会の課題を読み解き、解決できる能力を持ち、行動変容ができる市民が育つことが達成の鍵となる。しかし、環境・社会課題を含むグローバル・イシューと暮らしや事業との具体的な結び付きが見えないこと、社会人を含む多様な立場の人々の学びが実現していないこと、課題の解決の糸口が見つけにくく心理的な拒否感が生まれやすいことなどが、人材育成の障害となっている。市民の行動変容には、これを乗り越えて「主体的・対話的な深い学び」を社会に広げることが必要である。

【活用する技術シーズと解決するための手法】

対話的な学びの場として重要視されているミュージアムにおいて、1)インタラクティブサイネージによる、展示室内でのオンラインと実空間コミュニケーションの接続技術、2)展示空間を用いた来館者コミュニケーションの実践としての探究展示、および3)ミュージアムにおける事業評価の技法の3つの技術シーズを活用する。この事業を、市民との協働を続けてきた大阪市立自然史博物館を始め、複数の自然史系博物館などで展開することを通じて、学びと人材育成の好循環を創り、SDGsへの取り組みを持続可能にする。

【可能性試験の実施計画】※1

2つの技術シーズにより開発した「探究展示」や「インタラクティブサイネージ」により対話的な学びの場を創り、これに「子どもワークショップ」や「オンラインプログラム」も組み合わせたプログラムを、おおむね3ヵ月ごとに異なる内容で4回入れ替えて可能性試験を実施する。併せて、もう1つの技術シーズにより、プログラム改善のための評価を実施する。なお、その後の他地域展開については候補となる人文科学と自然科学の双方の資料を扱う地域志向型の「総合博物館」への適用を念頭において、可能性試験を実施する。

※1 シナリオ創出フェーズでは、社会課題を解決する社会システムを想定し、技術シーズを活用した解決策(シナリオ)における社会実装の可能性を検証する。

研究開発への参画・協力機関

  • 北海道大学 大学院文学研究院
  • 大阪市立自然史博物館
  • 認定NPO法人大阪自然史センター
  • 明治大学 専門職大学院ガバナンス研究科

佐々木 亨プロジェクト概要図

特に優先するゴール※2

  • 目標4:質の高い教育をみんなに
  • 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。

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