離島の発達障害児医療におけるアバターロボットの活用支援体制の構築

令和4年度採択 
シナリオ創出フェーズ

研究代表者:永田 康浩
(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 教授)

協働実施者:熊﨑 博一
(長崎大学病院 地域連携児童思春期精神医学診療部 診療部長)

提案の概要

【解決すべき社会課題・ボトルネック】

発達障害児への支援はSDGsの「誰1人取り残さない」という理念を実現する上で社会的課題の1つである。支援には専門職の継続的な介入が重要であるが、離島においては医療密度の低下は避けらない。これを契機とする医療からのドロップアウトは、結果として支える家族の負担増を招き、ひいては児童の不登校など社会的な孤立状態を生み出し、持続可能であるべき島しょ部における生活を脅かす社会課題となっている。

【活用する技術シーズと解決するための手法】

医療支援に焦点を当て、発達障害児が心地良く向き合えるような自律動作システムを装備したロボット支援技術により、本土の専門医によるアバターロボットを介した遠隔診療支援を行う。先進的ロボット技術を活用した新たな診療支援スタイルの有用性を多角的に検証する。

【可能性試験の実施計画】※1

本プロジェクトでは、通常診療にアバターロボットを同席させ、専門医が不在の状況においても患者・家族・医師間が安心して診療できる環境を創り上げることを第一段階とする。そのためのネットワーク環境の整備やスタッフの教育期間を設け、患児に負担なく診療を受けられる環境を整備する。発達障害児支援の新たなアプローチとして、その成果を福祉、教育などの多分野と共有し本技術の利用性拡充に結び付ける。他地域展開先としては、長崎県内(離島地区上五島町、県北地区佐々町)および茨城県北部、長野県中央エリア、京都府北部、鹿児島県離島エリアを予定している。

※1 シナリオ創出フェーズでは、社会課題を解決する社会システムを想定し、技術シーズを活用した解決策(シナリオ)における社会実装の可能性を検証する。

研究開発への参画・協力機関

  • 長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科
  • 長崎大学病院
  • 長崎県こども医療福祉センター
  • 長崎県五島中央病院
  • 長崎純心大学
  • 長崎県
  • 五島市
  • 大阪大学
  • 株式会社サイバーエージェント

永田プロジェクト概要図

特に優先するゴール※2

  • 目標3:すべての人に健康と福祉を
  • 目標4:質の高い教育をみんなに

※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。

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