
提案の概要
【解決すべき社会課題・ボトルネック】
厚生労働省は、共生社会実現の理念の下、2021年3月1日から障がい者の法定雇用率を引き上げた。一方、Society 5.0やDXの根幹技術であるAI(人工知能)やロボティクス技術の発展により、近い将来、形式的作業の自動化が急速に進むことが予想される。これにより、日本では、障がい者が従事できる仕事の選択肢が縮小し、働く機会の損失に直結する懸念がある。
【活用する技術シーズと解決するための手法】
本プロジェクトでは、AI等の機械学習に欠かせない高品質な教師データを障がい者や大学生などと協働構築できるプラットフォームと運用モデルを設計開発し、その社会実装のためのシナリオを創出する。目的は、これまで働くことが困難であった障がい者に働く機会を提供することである。また、障がい者がAIを考案・開発・販売可能な仕組みを構築することで、障がい者がAI開発の新たな担い手となり、高価値なソリューションの創出、作業者の適正・特殊能力の創発が期待できる。研究代表者は、画像、音声、センサーなどのデジタルデータから特定のオブジェクトやパターンを検出するAIの研究開発に携わり、関連特許を複数申請してきた。こうして培ったノウハウや技術シーズを活用することで実用に供するAIを構築する。
【可能性試験の実施計画】※1
可能性試験では、研究代表者と協働実施者の所属機関の学生および従業員などが協力し、障がい者やサポーターへのヒアリングやアンケート調査を通して、本提案内容の実現可能性を明らかにする。
※1 シナリオ創出フェーズでは、社会課題を解決する社会システムを想定し、技術シーズを活用した解決策(シナリオ)における社会実装の可能性を検証する。
研究開発への参画・協力機関
- 摂南大学 経営学部
- 株式会社オートバックスセブン
- 社会福祉法人太陽の家
- 株式会社エー・ディー・イー
- NPO法人Deep people
特に優先するゴール※2
※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。