認知症包摂型社会モデルに基づく多様な主体による共創のシナリオ策定

令和2年度採択 
シナリオ創出フェーズ

研究代表者:内田 直樹
(医療法人すずらん会 たろうクリニック 院長)

協働実施者:笠井 浩一
(福岡市保健福祉局 高齢社会部 認知症支援課 課長)

提案の概要

【解決すべき社会課題・ボトルネック】

日本全体で長寿命化に伴い認知症当事者が増え続けている。中でも福岡市は、高齢単身世帯が増加しており、 1人で暮らす認知症の人が直面している多様な生活課題に対応していく必要がある。これら多様な生活課題に対応するには、医療・福祉を中心とした「支援する-される」の関係に基づく対処では限界がある。こうした課題意識のもと、福岡市では、認知症フレンドリーシティーを目指す中で、認知症の人と一般企業も含めた多様なサービス提供者による共創の場の検討が進められている。
しかし、認知症に対する固定観念に基づく「支援する-される」という関係から抜け出ることは困難で、そのための効果的な方法論・場の在り方といった仕組みも確立されていない。
本プロジェクトでは、認知症当事者を含めて自由に発言(表現)し、多様な人たちと共創できる関係性を備えた社会を「認知症包摂型社会モデル」とし、本モデルに基づきサービス など の共創に至るまでのシナリオ創出に取り組む。

【活用する技術シーズと解決するための手法】

上記課題を解決するために、共創的アート活動を導入し、その行動の変容を解析する。共創的アート活動とは、社会から排除されがちな人がアーティストや一般の人たちと共に行う音楽や演劇、創作を通じた創造的表現活動である。アート活動による「楽しさ・喜び・遊び」を伴う新しい価値を、認知症当事者とそれに関わる人々が発見する効果が認められている。人口流入・流出が多く、高齢単身世帯が増加している福岡市のような社会において、こうした共創的アート活動を導入することで社会全体 で 認知症に取り組む基盤を形成し、認知症当事者の視線・操作・会話の行動を分析し、その行動変容を促し、生活の質の向上を図り、各現場への応用と社会還元を目指す。

【可能性試験の実施計画】※1

福岡市の①認知症当事者参加の場である認知症カフェ、②ケアの場である医療・介護施設、③ビジネス開発の場である企業プラットフォーム、などに導入することで「支援する-される」の関係を乗り越えて、新しい価値に基づくサービスの共創を実現する。
可能性試験では上記の有効性を検証しながら、共創を促すプロセス技術を開発する。同時に、シナリオに必要な要件・手立て・適用条件を明確化する。

※1 シナリオ創出フェーズでは、社会課題を解決する社会システムを想定し、技術シーズを活用した解決策(シナリオ)における社会実装の可能性を検証する。

研究開発への参画・協力機関

  • 医療法人すずらん会 たろうクリニック
  • 福岡市 保健福祉局 高齢社会部 認知症支援課
  • 九州大学 大学院芸術工学研究院
  • ラボラトリオ株式会社
  • NPO法人ドネルモ

特に優先するゴール※2

  • 目標3:すべての人に健康と福祉を
  • 目標8:働きがいも経済成長も
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標16:平和と公正をすべての人に

※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。

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