地域の医療・保健・福祉・教育が 連携して自殺ハイリスクの子どもを守る社会システムのシナリオ創出

令和2年度採択 
シナリオ創出フェーズ

研究代表者:立花 良之
(国立研究開発法人国立成育医療研究センター こころの診療部 乳幼児メンタルヘルス診療科 診療部長)

協働実施者:河西 千秋
(札幌医科大学 医学部 神経精神医学講座 教授)

提案の概要

【解決すべき社会課題・ボトルネック】

東京都は全国の都道府県の中でも子どもの自殺数が非常に多い一方で、子どもの心のケアを行う医療機関は多いが、教育や児童福祉など関係機関との相互の連携体制が乏しく、その構築が課題である。一方、長野県における未成年の過去5年間の自殺死亡率は全国と比較して極めて高い水準にあるにもかかわらず長野市には同規模自治体に比べて児童精神科医療機関が少なく、子どもの心のケアを行うリソースが乏しい。これらの地域において子どもの自殺・自傷のケアと予防が地域の課題となっているため、解決に向けて子どもの自殺を確実に防ぐ環境を整備する。

【活用する技術シーズと解決するための手法】

子どもの自殺を防ぐために、成人領域で自殺予防に有効であることが科学的に実証されているACTION-J介入プログラム(救急医療現場における自殺企図者に対し、正確な精神医学的評価、心理的危機介入、ケースマネージメントを行う自殺再企図防止の戦略研究[Kawanishi et al., 2014])を技術シーズとして用い、子どもの自殺のハイリスク者である自殺企図者をケアし自殺再企図を防ぐための医療・保健・福祉・教育などが連携した地域介入プログラム小児医療版ACTION-J(ACTION-J for Pediatrics: ACTION-JP)を確立する。

【可能性試験の実施計画】※1

長野市・東京都の医療機関や精神保健福祉センターなどでACTION-JPを活用し、アセスメントとフォローアップの実施率、自殺再企図率、子どもの自殺予防に関わる人材の育成とその教育効果などから有効性を検証することと、ウィズコロナの社会環境における子どもの自殺対策の在り方についても検証したい。また、医療経済評価により、子ども自殺対策施策としてのACTION-JPの医療経済的な有効性についても検証する。

※1 シナリオ創出フェーズでは、社会課題を解決する社会システムを想定し、技術シーズを活用した解決策(シナリオ)における社会実装の可能性を検証する。

研究開発への参画・協力機関

  • 国立成育医療研究センター
  • 札幌医科大学
  • 長野赤十字病院
  • 長野県精神保健福祉センター
  • 横浜カメリアホスピタル
  • 東京医療センター
  • 日本赤十字医療センター
  • 東京都立広尾病院

特に優先するゴール※2

  • 目標3:すべての人に健康と福祉を
  • 目標4:質の高い教育をみんなに
  • 目標16:平和と公正をすべての人に

※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。

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