
提案の概要
【解決すべき社会課題・ボトルネック】
神通川本川には治水ダムはなく、河道による治水対策しかできない状況にある。電力ダム群との連携による流域治水が求められている。また、本川のほとんどが岐阜県内にあり、上流の流域面積が大きいことから、上下流で連携した流水管理の総合的なデザインが治水上の課題となっている。さらに、支川の利水ダム群には冬の降雪が主要な水源であるところ、気候変動による降雪量・積雪量の減少が想定され、今後の対策立案に流域のステークホルダーは大いに頭を悩ませている。
【活用する技術シーズと解決するための手法】
本研究では、県境や行政の所管などさまざまな境を越えた適切な協力を含むあらゆるレベルでの統合的水資源管理の達成を目指す。既存の洪水調節を組み込んだ確率洪水予報システムを拡張し、洪水・渇水予測情報を多様なステークホルダーに提示し、それぞれの価値観を統合的に反映できる目的関数を模索し、多様なステークホルダーを巻き込んだ流域治水に有効な動的運用ルールの共創手法を構築する。
【可能性試験の実施計画】※1
ダム貯水池の動的運用モデルの拡張やダム流入予測情報の改良と並行してステークホルダー調整会議 などでの議論を進め、2021年度より計画、実施、検証を行う。それを踏まえて2022年度に可能性試験を実施する。
※1 シナリオ創出フェーズでは、社会課題を解決する社会システムを想定し、技術シーズを活用した解決策(シナリオ)における社会実装の可能性を検証する。
研究開発への参画・協力機関
- 東京大学
- 富山県立大学
- 電力中央研究所
- 岐阜大学
- 国土交通省 富山河川国道事務所
- 富山県
- 富山県土地改良事業団体連合会(水土里ネット富山)
特に優先するゴール※2
※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。