受賞取り組み紹介

低速電動バスの社会実装による地域課題解決の取り組み

2024年度 優秀賞

団体名:群馬大学 次世代モビリティ社会実装研究センター、
桐生市、群馬県立桐生高等学校、株式会社桐生再生、
株式会社シンクトゥギャザー、日本モビリティ株式会社、
ゆっくりズム研究所

  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 13.気候変動に具体的な対策を

解決したい社会課題

  • 免許返納後の移動手段の不足など、高齢者の移動手段にまつわる社会課題を解決したい
  • 公共交通サービス縮小によるコミュニティーの疲弊などの過疎地域の社会課題を解決し、そこに暮らす人々のQOLを向上させたい
  • マイカー依存型のライフスタイルに起因するCO2排出を抑えたい

取り組み内容

高齢者や人口減少が進む地域に暮らす人々にとって、免許返納や公共交通サービスの縮小などで移動手段が失われることは、生活の質を大きく下げることに直結する。移動手段の制約で日常生活が困難になることは、社会的孤立や健康悪化を引き起こすだけでなく地域経済の縮小にもつながり、高齢化が進む地域での大きな社会課題になっている。

この取り組みでは、群馬大学が保有する技術を活用した低速電動バスを一般企業、地域の高校生など多様なステークホルダーとの協働で開発・運行し、地域住民の移動支援や地域活性化につなげる活動を長年にわたり行っている。特に高齢化が進む地方都市では、公共交通機関の縮小や免許返納後などによる高齢者の移動の困難さが共通の課題であるが、桐生市ではその解決方法の1つとして、2012年からこの低速電動バスの導入を開始した。このバスには、バッテリーや自動運転技術等が活用されており、移動手段としてだけでなく、近接学*)に基づいた車内空間の設計で「移動するコミュニケーション空間」という新しい価値を創り出し、高齢者のQOL向上にも寄与している。

現在、このバスは全国20か所以上の地域で運行されており、今後は行政などと連携した社会実験を重ねながら、過疎地域でのより持続可能な運行モデルの構築を目指し、さらなる展開が計画されている。


  •  *)近接学:集団におけるコミュニケーションに対し、空間内での個々人の配置がどのような効果をもたらすかを研究する学問
花もも祭で走る電動バス
車内の会話の様子
近接学による会話のしやすさの解析

わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)

低速電動バスは、最高時速19kmのゆっくりと走る車です。側面の窓もなく、走っているとお店の商品が見え、季節も感じることができます。車内は対面式シートで、会話が弾みます。移動のためだけではない、地域に何か新しい価値が生まれる乗り物だと感じています。もしかしたら乗って頂かないとその価値が実感できないかもしれません。現在全国20か所以上に導入されていますので、お見かけになったら是非乗車してみて下さい。

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