受賞取り組み紹介

自助具3DプラットフォームCOCRE HUBによる持続可能社会の共創

2024年度 科学技術振興機構理事長賞

団体名:ICTリハビリテーション研究会、ファブラボ品川

  • 12.つくる責任、つかう責任
  • 4.質の高い教育をみんなに
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 9.産業と技術革新の基盤を作ろう
  • 10.人や国の不平等をなくそう

解決したい社会課題

  • 障害者や高齢者など多様な人々が公平に活躍できるよう、カスタマイズされた「自助具」を簡単に手に入れられる仕組みを作りたい
  • 環境破壊につながる大量生産・大量消費に代わるモノの入手方法の選択肢を増やしたい

取り組み内容

「自助具」は、障害者や高齢者が日常生活をより自立して行えるよう、日常の動作をサポートする補助器具である。高齢化の進展に伴い自助具のニーズが高まる一方で、利用者の障害の度合いや身体機能により必要な機能が大きく異なるため、標準化された製品では対応しきれずオーダーメイドやカスタマイズが必要となるが、これには高額な費用がかかる。このため、すべての人が手軽に利用できるわけではない。また、一般的な認知度は低く、必要な人が自助具の存在を知らないことも多い。

この取り組みでは、作業療法士などの専門家と当事者との共創で、自助具作成の共創プラットフォーム“COCRE HUB(コクリハブ)”を運営している。現在、200種以上の自助具の作成モデルがWebサイト上に掲載されており、QRコードをスマートフォンで読み取ることで、誰でも簡単に3Dプリンターで自分に合った自助具を作ることができる。また、企業との連携によるリサイクル材料を使った3Dプリンター工房や、特殊なソフト無しで寸法を調整できるサービス、作成後の加温で簡単に加工できる材料の活用など、多様なサービスも提供している。さらに、当事者とともに短期間で集中して自助具を作成・公開する「インクルーシブ・メイカソン」を国内外で開催し、仲間づくりも進めている。これらの活動を通して、多様な人々が公平に活躍できる環境づくりと、大量生産・大量消費に依存しない持続可能なモノの入手方法の提供を目指している。

COCRE HUBの自助具3Dモデルの例
インクルーシブ・メイカソンでの3Dプリンター活用シーン
無印良品との協業で100%リサイクルフィラメントを活用

わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)

この度は栄誉ある賞をいただき、大変光栄に思います。私たちの活動は、インターネットと3Dプリンターの力で人々が利用する道具の個別最適化を進めるものです。2024年現在、これらの技術は特別ではありませんが、事例の蓄積こそが未来の社会づくりの鍵となります。障害当事者や支援者がつくり手として参加し、共に社会をより良くすることを目指しています。今後ともご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

2023年5月に日本科学未来館で開催した日仏合同メイカソン

取り組みについてのお問い合わせ先

関連リンク

受賞取り組み一覧へ