受賞取り組み紹介

遠隔心臓リハビリテーション

2024年度 文部科学大臣賞

団体名:公益財団法人榊原記念財団附属榊原記念病院

  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 1.貧困をなくそう
  • 4.質の高い教育をみんなに
  • 5.ジェンダー平等を実現しよう
  • 8.働きがいも経済成長も

解決したい社会課題

  • 日本では心臓病の入院患者さんの9割以上が参加できていない退院後の「心リハ*)」に誰もが参加できるようにし、人々の健康を守りたい。
  • 医療従事者の働き方改革で、長時間労働解消や在宅勤務の選択肢を増やし、より充実した医療につなげたい。

  •  *)心リハ:心臓の治療後に適切な食事と運動の指導、心理カウンセリングを行う包括的な「心臓リハビリテーション」のこと。病気の再発を予防し、健康寿命を改善させる効果がある。

取り組み内容

「心リハ」は、心臓病を持つ患者が心臓の治療中から行うプログラムで、一般的には運動療法、栄養指導、心理カウンセリング、疾患教育を組み合わせて行われ、病気の再発を予防し健康寿命を改善させる効果がある。しかし、日本ではさまざまな事情で心臓病の入院患者さんの9割以上が退院後の心リハに参加できていない。

この取り組みでは、心リハへの参加者を増やすため、遠隔でのリハビリテーションを実現するアプリケーション“TeleRehab(テレリハブ)”を開発した(特許取得済)。このアプリを用いれば、年齢、性別、仕事や経済状況などの事情に関わらず、遠隔で心リハを受けることができる。TeleRehabによる遠隔心リハは、医師のみでなく看護師、理学療法士、管理栄養士、公認心理師、ソーシャルワーカー、アプリの技術部門など、多職種のメンバーが協力して取り組んでいる。

患者さん側には通院による距離や時間の制約の軽減、移動コストの削減などにより、心リハにより参加しやすくなり、医療従事者側にも、在宅勤務の実現など勤務形態の選択肢が増え、長時間労働や女性医療従事者の離職などの課題解決につながるというメリットがある。

今後は、島しょ部をはじめとした地方への展開や、フィットネスクラブとの連携なども進んでおり、広く展開していくことを目指している。

遠隔心リハの仕組み
公認心理師がストレス管理(2回目以降は電話相談)
テレナーシングでどこからでも患者をサポート

わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)

榊原記念病院心リハ室では、40年以上心臓病の患者さんに寄り添ってきました。心臓病は、手術や薬だけでなく、適切な食事・運動を行い、ストレスのない生活を送って頂くことが必要です。「誰一人取り残さない」医療を目指して、病気と付き合う患者さんと一緒に考え、手助けになれたらと遠隔心リハを始めました。また、医療従事者もゆとりがないとよい医療ができないという点からも社会全体が幸せになる方法を常に考えて活動しています。

取り組みについてのお問い合わせ先

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