受賞取り組み紹介

誰もが自分の医療データを持ち歩ける時代へ

2022年度 科学技術振興機構理事長賞

団体名:東京大学医用情報工学講座、株式会社Kompath

  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 9.産業と技術革新の基盤を作ろう

解決したい社会課題

  • 自分の医療データを患者自身が保有し、医療やヘルスケアに有効活用できる社会を作りたい

取り組み内容

現代の日本では、多くの人が月1回以上の頻度での医療機関受診や、複数の医療機関での検査を行っていると推定されるが、その医療データは基本的に各医療機関が個別に保有・管理している。医師は患者の要望があれば本人の医療データを提供する義務があるが、特に画像データは特殊なフォーマットで容量も大きく、病院外での利用が困難な状況にある。このため、現実には患者が自身の医療データに自由に接する機会は極めて少なく、効率的かつ適切な活用が実現できていない。

この取り組みでは、患者が「自分の医療画像データを自身で保有し、医療やヘルスケアに活用できる」ことを目的としたアプリ「eMma」を開発し、無料で提供している。eMmaは、医療用画像データの質と量を低下させることなく、高速かつ効率的に患者のスマートフォンなどに取り込むことができ、輝度値や観察断面、過去と現在のデータの時系列比較といった効率的な閲覧を、直感的な操作で可能にしている。このアプリは、日本のみならず海外でも利用されるなど高いダウンロード実績があり、その利用は患者のみでなく、医療関係者にも広がっている。

患者が自分の医療画像データを管理し活用することを目指す
無償で提供中のアプリ「eMma」
複数の病院を受診した際の
医療(画像)データをスマホで閲覧可能に

わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)

受賞後に多くのお問い合わせや反響をいただいており、ダウンロード数も右肩上がりとなっています。

今後は本アプリにAIなどを駆使したヘルスケア機能の導入を予定しており、更により良いものを社会に還元し、SDGs達成へ貢献していきたいと考えております。

取り組み紹介動画

 取り組み紹介動画『誰もが自分の医療データを持ち歩ける時代へ』
出典:Science Portal動画ニュース(2025年5月30日配信)
受賞者による取り組み紹介(サイエンスアゴラ2022 ミニステージイベントにて)
イベント全編動画(前半:各団体の活動紹介ピッチ,後半:トークセッション)

取り組みについてのお問い合わせ先

関連リンク

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