獣医学×林業による未利用地域資源の活用
2021年度 優秀賞
団体名:一般社団法人Pine Grace
解決したい社会課題
- 「北海道の木」アカエゾマツの森の荒廃を食い止めたい
- 多くの人に森の魅力と大切さを知ってもらいたい
取り組み内容
北海道の代表的な針葉樹である「アカエゾマツ」は、戦後に植林された人工林が道内に約18万ヘクタールも存在している。ただ、その間伐材は木材としての価値が低く十分に活用されないため、森の維持が課題となっている。この取り組みは、そのアカエゾマツの魅力に魅かれた人々が集う同好会から始まった。
アカエゾマツの枝葉から採れる精油の機能性研究の過程で、優れた抗菌・抗真菌などの機能を発見。その研究成果を社会に実装するため、大手製薬会社、ペット用品メーカーなどと共同開発を行った。特に、牛の真菌性皮膚病(がんべ)に対して高い効果が確認できたことから、精油配合クリームの製品化を実現した。また、精油の製造においては、地域の社会福祉施設や就労支援施設と連携する「林福連携」の体制を構築し、地域での新たな雇用創出にもつなげている。その他、森林に関わる体験活動の主催など、森の魅力を伝えるためさまざまな組織と連携した活動を行っている。林業・獣医学・社会福祉との連携によって、地域の活性化を目指している。


わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)
私たちは、2021年度に「STI for SDGs」アワード優秀賞を受賞させていただきました。当時発売開始したばかりだったウシ用アカエゾマツ精油配合クリームも、徐々に販売量が拡大し、抗生剤にも負けないウシ真菌性皮膚病への有効性を示す臨床データの蓄積が進みました。また、北海道の観光事業者と共同でサウナ用アカエゾマツローリュ水を提供するなど、他分野での森林資源の活用を通じた地域連携・活動も拡大しています。
