暮らしを支える人工衛星を宇宙ゴミから守り持続可能な社会を実現する
2021年度 優秀賞
団体名:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
解決したい社会課題
- 人類の持続可能な発展に欠かせない宇宙環境の保全に貢献したい
- 増え続けるスペースデブリ(宇宙ゴミ)による事故から衛星を守りたい
取り組み内容
現在多数打ち上げられている人工衛星は、通信、衛星放送、天気予報など、日々の生活に重要な役割を果たしているだけでなく、温室効果ガスの計測や災害把握など、SDGsの進捗計測にも欠かせないものである。一方、地上と同様に宇宙もゴミ問題に直面しており、運用を終えた人工衛星や使用済みロケットなどの宇宙ゴミは増加の一途をたどっている。
この取り組みでは、従来、高スペックな計算機や知識・経験を持った軌道力学の専門家が必要とされ、職人技として考えられていた宇宙ゴミ回避に関し、標準的な計算機で動作し、知識や経験も不要で衝突リスクを素早く計算できる「RABBIT」というツールを開発した。蓄積してきた技術や運用現場での使い勝手をフィードバックして改善を重ねたことで直感的な操作ができ、視認性も高いリスク計算結果を得ることができるため、誰でも簡単に宇宙ゴミの回避方法を見つけることが可能となっている。今後、宇宙インフラのさらなる活用が進むことで、本ツールへの需要の増加が見込まれている。



わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)
宇宙におけるSDGsの活動の先駆けとして本活動を行っています。「STI for SDGs」アワードを受賞させていただいたことで、宇宙のSDGs活動について認知してもらうことができました。また実際にRABBITにて宇宙ゴミ衝突回避を行う機関も増え、宇宙環境悪化を防ぐことに貢献しています。今後も国内外でRABBITを必要としている機関に使ってもらうこと及び、より多くの方々が宇宙を身近に感じ、宇宙を守るSDGsも必要であることが認知されるように活動していきます。