受賞取り組み紹介

ICTを活用した水田管理で地域の水利用を最適化

2021年度 優秀賞

団体名:農業・食品産業技術総合研究機構

  • 8.働きがいも経済成長も
  • 2.飢餓をゼロに
  • 6.安全な水とトイレを世界中に
  • 7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
  • 11.住み続けられるまちづくりを

解決したい社会課題

  • 少子高齢化に伴う農業の担い手不足を解決したい
  • 水資源の適正な使用のため、水田での水利用を最適化したい

取り組み内容

近年の農業においては、農村の過疎・高齢化により、水田の水管理、水利施設の稼働・点検などの労働力が減少・不足している。また、水田での水使用量は工業用水や生活用水も含めた全ての水使用量の約60%を占めており、水田での水利用の最適化も重要な課題となっている。

この取り組みでは、ICTを活用した「水田の給水・排水管理を遠隔・自動化するシステム(WATARAS)」と「水利施設からの農業用水を最適に配分するシステム(iDAS)」を開発。両システムをパッケージで導入することで、地域の水利用の最適化、大幅な省力化、水稲の生産性向上、大幅な省エネルギー化の実現を可能とした。今後は、水管理データの標準化、気象や土壌などの情報プラットフォームとの連携に向けたAPI構築により、データ駆動型農業の推進を目指す。また、水田から河川へ至る排水を最適制御する機能の拡張により、豪雨の際に水田の貯水機能を高め、農村や下流の都市の洪水リスクの緩和の実現も目指している。水田稲作が拡大しているアジアへの展開も検討しており、水田からの温室効果ガスの排出削減への貢献も期待できる取り組みである。

ICTを活用した水田水管理の全体イメージ
水田からの排水の最適制御による洪水リスク緩和
WATARASを構成する自動給水装置とiDASの農業用ポンプ操作画面

わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)

最近では、近年多発する異常気象に対応した水田水管理の制御技術により、我が国の主食である米の安定生産の実現に取り組んでいます。また、水源からの取水を含む関連施設とのデータ連携により、さらなる水資源の有効利用や再生可能エネルギーへの利用、施設の省エネ化の促進を図り、農業水利施設の持続的利用に貢献していきます。
これらによって、食糧問題や農村でのエネルギー問題、環境問題、水問題等に貢献できるよう研究を進め、SDGs の達成に取り組んでいきたいと思います。

取り組み紹介動画

受取り組み紹介動画『水を活かして田を守る』

取り組みについてのお問い合わせ先

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