受賞取り組み紹介

赤島活性化プロジェクト
~雨水活用による持続可能社会の模索~

2020年度 優秀賞

団体名:しまあめラボ(福井工業大学)

  • 6.安全な水とトイレを世界中に
  • 9.産業と技術革新の基盤を作ろう
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 13.気候変動に具体的な対策を

解決したい社会課題

  • 島しょ部など、生活用水の確保が難しい地域にも安全な水を提供したい
  • 地球温暖化による気候変動が引き起こす豪雨災害や渇水への対策に役立てたい

取り組み内容

水不足が社会問題となっている島しょ部では、生活用水として雨水を活用しており、その活用に向けたインフラ整備や雨水活用を推進するための人材育成が社会課題となっている。また、近年地球温暖化による気候変動に起因した豪雨や渇水は全世界的な問題となっている。

この取り組みでは、国内で唯一、全生活用水を雨水に依存する長崎県五島市の赤島に「自立分散型スマート雨水活用システム」を2017年から設置。同システムには、雨水の水質処理システムやIoT制御技術を搭載しており、島内での限られた水資源の確保とその運用を行っている。このシステムによる生活用水の確保は、島内での新たな産業創出にも貢献している。一方、都市部では「雨水タンククラウド」を構築し、最新の気象予報に基づくタンクの降雨前排水や渇水・被災時における周辺給水により、豪雨時の内水氾濫の緩和と水資源の確保の両立を提案している。さらに、取り組みを通じて雨水活用に関する島民や学生への環境教育プログラムの展開や、雨水を原料とした「雨水ドリンク」の製造・販売など、雨水活用への理解と人材育成を促進している。

IoTで制御され水質処理も行う雨水タンク
赤島でのシステム設置ルート
(島の中心に設置した雨畑で雨水を採集)
自立分散型スマート雨水活用システムの構成イメージ

わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)

人や生き物にとって最も重要な物質である「水(淡水)」の全ての源である雨水を、不要物として捨てるのではなく積極的に溜めて利用すれば近年問題となっている地球温暖化による気候変動対策や持続可能な社会の構築に大きく貢献します。赤島の事例はその一つですが、現在都市部における「雨水タンククラウド」の実証にも取り組んでいます。また、水道が十分に整備されていない東南アジア地域における雨水飲料化プロジェクトも始動しつつあります。

取り組み紹介動画

取り組み紹介動画『小さな離島から世界へ』
受賞者による取り組み紹介(サイエンスアゴラ2020 にて)

取り組みについてのお問い合わせ先

関連リンク

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