受賞取り組み紹介

超小型モバイル胎児モニターを用いて安心・安全な妊娠・分娩を実現する

2020年度 科学技術振興機構理事長賞

団体名:香川大学、メロディ・インターナショナル株式会社、
NPO法人 e-HCIK(イーシーク)

  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 5.ジェンダー平等を実現しよう
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

解決したい社会課題

  • 誰もが安心・安全な出産が可能な社会を作りたい

取り組み内容

世界には、産科医や助産師がいる施設で安心・安全に出産ができる環境が得られない地域が非常に多くある。日本を含む先進諸国でも、産科医の減少や都市部への偏在による「医療格差」や、ハイリスク妊婦の増加や新型コロナウイルス感染症のリスクなどの課題に直面している。

この取り組みでは、超小型軽量化および無線化され、内蔵する充電可能なバッテリーで稼働し、デジタル化された測定データをインターネットで送信できるモバイル胎児モニター「分娩監視装置iCTG」を開発。このモニターにより、産科医のいない病院では助産師等が、また自宅では妊婦自身が胎児の心拍数を計測して送信し、そのデータを基に医師が遠隔で診断を行うオンライン診断システムを可能にした。

また、産科医にとっても、スマートフォンやタブレットを使ってクラウド上のデータにアクセス可能となることで機動性の向上やデータの容易な共有を実現できるメリットがあり、救急搬送時や災害時での活用も期待できる。現在は、遠隔医療の技術を用いて、国内では自治体や病院が連携し地域全体で産科医や妊婦をサポートする仕組みづくりを行う他、開発途上国を含む海外での実証実験や継続的なフォローアップを行い、海外展開の拡大を目指して活動している。

妊婦自身が自宅で簡単に使える超小型モニター
iCTG開発プロジェクトの全体イメージ

わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)

2020年度の理事長賞受賞当時、約5ヵ国で展開していた分娩監視装置iCTGは、現在アジアやアフリカ等19ヵ国に導入され、国内のみならず、世界中の医療従事者や妊婦さんの元に着実に届き始めています。SDGsの理念である「誰一人取り残さない」を実現するべく、私たちはiCTGというソリューションをもって、産科医不足など様々な周産期医療の課題と向き合い、安心安全な出産を届けるために取り組んでまいります。

ブータンにiCTGを合計82セット導入済

取り組み紹介動画

取り組み紹介動画『安心・安全なお産を』
受賞者による取り組み紹介(サイエンスアゴラ2020 にて)

取り組みについてのお問い合わせ先

関連リンク

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