受賞取り組み紹介

循環型環境ストレスフリーを実現したタオル生産プロセスの構築で「日本タオル製造発祥の地」の地場産業を未来へ繋ぐ

2019年度 優秀賞

団体名:株式会社スマイリーアース

  • 9.産業と技術革新の基盤を作ろう
  • 12.つくる責任、つかう責任
  • 14.海の豊かさを守ろう
  • 15.陸の豊かさも守ろう
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

解決したい社会課題

  • タオル製造における環境汚染問題を解決したい
  • 伝統地場産業の持続可能化を技術革新で実現したい

取り組み内容

タオル製造発祥の地として知られる大阪・泉州地域だが、タオルの製造過程で使用される多種多量の化学薬剤は、河川及び海洋の汚染の一因となってきた。同地域では、地域内を流れる河川が全国河川水質調査でワースト1位になるなど、河川汚染は地域の大きな課題の一つであった。

この取り組みでは、河川汚染をはじめとするタオル製造における環境汚染問題を包摂的に解決するため、独自の研究開発により「綿の自浄作用」を発見し、綿と水のみの使用で綿繊維から油分や不純物を取り除く、化学薬剤に頼らない綿の処理方法を開発。同社の特許技術でもある「自浄清綿法」を開発した。また、化石燃料への高い依存性が問題視されていた高温での綿処理や乾燥工程を、地元の山林整備で生まれる間伐材の利用に切り替え、工場内で使用する熱エネルギーを全て脱化石化し、植林を通じて地域の山林との共生サイクルを生み出した。更には工場廃水の無害化も同時に実現し、現在は工場排水を循環利用した有機農業や有機での淡水魚の陸上養殖に取り組み、タオル工場を中心とした資源循環エコシステムを構築し、事業の多角化にも挑戦している。

化学薬剤に頼らない綿の処理方法「自浄清綿法」
タオル工場排水を貯め置くプールで繁殖するメダカ達

わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)

2019年に本表彰制度を受賞して以降、学生がSDGsの学びを深める場として、当社の工場見学をご利用頂く学校が増えました。

これからも、地球の気候変動の分岐点として定められた2030年に向け、自社の自助努力を貫き、有機栽培綿(オーガニックコットン)を主原料としたタオル製造の可能性を、更に大きく高めていきたいと考えています。2021年には、工場排水を利用するための温室ハウスも工場横に完成し、「Nature Towel Factory 自然と共生するタオル工場」として、一つのタオルを生み出す理想の工場が完成しました。未来を生きる人々に、時代を変えたタオル工場、自然との共生を実現したタオル工場と言って頂けるように、現代を生きるタオル職人としての責任を果たしていければと考えています。また、全世界の人々に地球の存在を一番身近に感じてもらえるタオルやガーゼ製品を提供し続けられるように、引き続き頑張っていきたいと思います。

自然と共生するタオル工場で作られた「真面綿(まじめん)」製品

取り組み紹介動画

受賞者による取り組み紹介(エコプロ2019 JSTブース内ミニセミナーにて)

取り組みについてのお問い合わせ先

関連リンク

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