受賞取り組み紹介

汚水処理の持続性向上に向けた高知家(こうちけ)の挑戦
~産官学による新技術開発と全国への展開~

2019年度 優秀賞

団体名:高知大学、香南市、高知県、
前澤工業株式会社、日本下水道事業団

  • 6.安全な水とトイレを世界中に
  • 7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 13.気候変動に具体的な対策を

解決したい社会課題

  • 地域の汚水処理環境を改善したい
  • 地方都市の都市基盤として、汚水処理施設の普及と持続性を向上させたい
  • 汚水処理施設の処理能力増強、処理コスト削減、エネルギー消費・温室効果ガス排出削減を同時に実現したい

取り組み内容

高知県は汚水処理人口普及率が全国ワースト3位(受賞当時)。さらに人口減少や厳しい財政状況に直面しており、汚水処理施設の普及と持続性向上が地域の課題であった。

この取り組みでは、まず高知大学が、反応タンク内に設置した溶存酸素濃度計を用いて、同タンク内の送風量と循環流速を自動制御する汚水処理新技術「オキシデーションディッチ法における二点DO制御システム」を研究し、その研究成果としての技術を基盤に、産官学の連携により実用化できるところまで開発した。

同技術の活用で、高知県香南市野市浄化センターで従来系列と比較して電力を3分の1、処理時間を半分に減少させ処理コストも削減できることを実証。この結果を踏まえ、同市内では夜須浄化センターに導入した他、さらに他の自治体へも展開を行っている。人口減少が進む地方都市において、汚水処理の持続性を向上させることが期待される取り組みである。

オキシデーションディッチ法における
二点DO制御システムイメージ
実用化に向けて産官学連携で実証実験を重ねた
香南市の処理場統合計画

わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)

産官学で取り組んだ高知発の汚水処理新技術は、全国への普及展開が進んでいます。受賞当時、この技術を導入し稼働している施設は3ヵ所でしたが、その後、徐々に増え現在では8ヵ所となり、また導入決定済みの施設も1ヵ所あります。今後も汚水処理の持続性向上に向けて着実に展開を進め、暮らしを支える水インフラを次世代につなげるよう取り組んで参ります。

高知県香南市夜須浄化センター
新潟県糸魚川市青海浄化センター

取り組み紹介動画

取り組み紹介動画『高知家 水インフラの挑戦』
受賞者による取り組み紹介(サイエンスアゴラ2019 ピッチトークイベントにて)

取り組みについてのお問い合わせ先

関連リンク

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