染色排水の無害化を切り拓く最先端の草木染め
2019年度 文部科学大臣賞
団体名:北陸先端科学技術大学院大学、山梨県立大学※現在は山梨県立大学にて活動中
解決したい社会課題
- 化学染料の染色廃液による水質汚染を解決したい
- 地域の伝統文化(加賀友禅)や地場産業(テキスタイル)で脱石油化学社会(脱化学染料)を実現したい
- 地域が共有できるビジョンの下で持続可能な社会をつくりたい
取り組み内容
化学染料の染色廃液による水質汚染は世界的に解決すべき社会課題である。しかし化学染料の代替物質が存在せず、例えば石川県の伝統工芸である加賀友禅や地場産業のテキスタイルの世界でも、ほぼ全てで化学染料が使われ続けている。一方で廃液が無害と言われる天然染料は染色工程の所要時間や耐光性などが実用上の障壁となっており、染色関連市場での使用量は1%に満たない。
この取り組みでは量子電磁力学的学理に基づき、天然色素と繊維間に働く分子間力を最大化することで染色時間を短縮し、高耐光性を持つ実用性の高い天然染料を開発した。特に地元石川県の廃棄農作物や草木から、地域性を備えた天然染料を創り出した。その染料を用い地域の伝統産業「加賀友禅」の染料を化学染料から天然染料へ置き換え、当該産業における脱石油化学(脱化学染料)を実証した。
また、科学者、農家、伝統工芸師、デザイナーなど40組織130名超(受賞当時)の協力者と共創関係を構築しプロジェクトを推進した。金沢城で主催した国際会議では3,500名を超す参加者と共に成果やビジョンを共有するなど、新たな地域共創の枠組みを構築している。



わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)
開発した天然染料の社会実装例のご紹介


取り組み紹介動画
取り組みについてのお問い合わせ先
- メールにてお問い合わせください[山梨県立大学]
keieikikaku★yamanashi-ken.ac.jp
※お問い合わせの際には★を@に変えてください。