テレビは原発事故をどう伝えたか
伊藤 守
平凡社 2012年
3.11以降、巨大な津波に襲われる町、そして原発事故による混乱、さらには原発で起こった爆発という光景を目撃してきた。われわれの記憶に残っているこれらの風景のほとんどはテレビを通じて目にしたものであった。今、福島の原発事故についての報道は減り、半ば風化が始まっているようである。しかしこの事故は人類史に残るものであり、今後も絶えずその意味を反芻していかなければならない。本書は、当時のテレビの報道をすべて録画し、それを分析したものである。未曽有の事故の報道が何を、どう伝えていたのか、改めて思い起こしてほしい。
(小林傳司:大阪大学コミュニケーションデザイン・センター 教授)