プログラム

 本プログラムは、情報社会の進展が生む課題に対する社会的側面からのトラスト形成に向け、課題の特定から課題の解決までを一体的に推進すること目指し、「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(SOLVE for SDGs)」の下に、「デジタル ソーシャル トラスト」として2023年に発足しました。

概要

 本プログラムは、「トラスト」にまつわる社会課題のメカニズムの理解・課題把握から対策の開発、さらには課題解決のための社会実装に向けた取り組みについて、研究開発フェーズの統合、自然科学、人文・社会科学を横断する学際研究と、これら研究知と具体的な課題を抱える現場知との融合を目指します。また、規制、経済、技術活用、教育といった多面的な観点からのアプローチや多様な主体の連携も図りながら研究開発を推進していきます。そして、関連学問分野や現場の「総合知」の活用により、研究から社会実装に向けた提言や検証のための活動を推進し、健全な「トラスト」を形成することにより、受け手側・発信者側の双方が相互に作用しながら情報技術発展によるメリットを享受することができる社会を目指します。
 加えて、研究開発へのアプローチとして、本プログラムでは情報の受け手側と発信者側、あるいは情報そのものとの間の「トラスト」、更には情報の受信者らの間に介在する人・組織・情報サービスに対する「トラスト」の形成や維持の在り方の問題に対して「現場における課題解決につながる研究開発(課題解決型)」と「現場における課題特定のための研究開発(課題特定型)」の2つの枠組みを設け、実施しています。

研究開発対象

 本プログラムでは、情報化社会の進展が生む社会課題に対して、偽・誤情報そのものや、それらを含む大量の情報が急速に拡散、氾濫し、社会に影響を及ぼすインフォデミックに見られるような情報に関わる、トラストの問題を取り上げる研究開発、さらには技術面だけではない多面的なアプローチから現場の課題解決につながる研究開発を推進します。具体的には、以下に示す3つの研究開発要素に取り組んでいます。

トラスト形成のメカニズム理解、阻害要因の分析
技術の進展など新たな社会変化を踏まえ、情報をやりとりする際の行動/心理や社会的背景の洞察から、トラストの形成や維持、阻害のメカニズムを分析し、課題を特定すると共にそのエビデンスを取得する取り組みを行います。
分析結果を踏まえた対策の開発
特定された課題の解決に向けた対策の開発を行います。
社会実装手法と効果測定法の提案
開発で得られた成果を指標等に基づいて評価・検証を行います。

 これらに関する研究開発については、規制、経済、技術活用、教育といった各分野において展開されるよう、一体的に推進します。
 また、全ての研究開発要素において、問題の原因を技術要因だけに絞ってしまうのではなく、法学、経済学、心理学、情報学、教育学など広い関連分野を横断する学際研究の取り組み、研究知と現場知の融合など、総合知の活用を積極的に図ります。

研究開発の枠組み

 本プログラムでは、上記の研究開発要素①~③を一気通貫で実施します。その過程では、「トラスト」という問題の性質上、時間をかけてエビデンスを収集し、検証する価値のある重要なテーマも存在することから、次の2つの枠組みを設け、実施しています。

(a)課題解決型プロジェクト
研究開発要素①~③を含み、研究開発期間の中で、これらを一体的に実施するための研究開発体制を構築するものです。ここでは、課題を明確にした上で対策を立案し、現場(社会)への実装手法とその効果測定方法を提案し、対策の効能を検証する目途を得るところまでを中心に取り組みます。
(b)課題特定型プロジェクト
本プログラムで対象とする社会問題の中には、課題解決やそれに向けた対策の立案以前に、そもそも対象とすべき課題の特定に注力すべき問題も存在します。そこで、あくまで具体的な課題現場を意識しながらも、その課題が発生するメカニズムの分析など研究開発要素①を中心に、課題解決の現場の声を反映した施策の実現に向けた、シナリオやモデルの創出に取り組みます。

図:課題解決型プロジェクトと課題特定型プロジェクトの概要

公募・契約情報

公募情報

研究者向け関連情報

研究契約に係る書類

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