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研究領域の概要
本研究領域は、ミクロの世界で観測される量子力学的現象を制御し、記憶、演算などの情報処理を行うシステムへ展開していくための基盤となる新しい技術の創出を目指す研究を対象とするものです。
具体的には、光・電子・原子・原子核など様々な系を対象として、量子効果に基づく基本的なデバイスや多量子ビット化の技術、量子情報の伝送技術や中継技術、さらにそれらの基盤となる要素研究、例えば量子もつれ現象の制御・観測に関する研究等に関して、シミュレーションを含めた実証的な研究を対象とします。
研究総括の募集・選考に当たっての考え方
本研究領域では、量子情報処理システムのハードウェア構成法に関する実験的および理論的研究を募集します。具体的には、イオントラップ、冷却原子、半導体中の電子スピンもしくは原子核スピン、ジョセフソン接合素子、NMR、線形光学系などを用いた量子コンピュータ技術、また、原子集団や量子テレポーテーションを用いた量子中継技術、単一光子、エンタングル光子対を用いた量子暗号技術などが対象となります。実験グループの選択に当っては、アプローチの新奇性に加えて背景となる実験技術のレベルに、理論グループの選択に当っては、コンセプトの新しさ、有効性に重きを置いて判断します。異なった専門を有する複数のグループの共同提案、また海外の最先端研究グループとの共同提案を歓迎します。
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