戦略的創造研究推進事業(公募型研究)
新規採択研究代表者・個人研究者および研究課題概要



戦略目標:「医療・情報産業における原子・分子レベルの現象に基づく精密製品設計・高度治療実現のための次世代統合シミュレーション技術の確立」
研究領域:「シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築」
 
氏名 所属機関 所属学部・学科など 役職 研究課題名
穴井 宏和 富士通(株) ソリューション事業本部 計算科学技術センター 研究開発部 研究員 数値/数式ハイブリッド計算に基づくロバスト最適化プラットフォームの構築
石田 清仁 東北大学 未来科学技術共同研究センター 教授 材料の組織・特性設計統合化システムの開発
佐々木 節 高エネルギー加速器研究機構 計算科学センター 助教授 高度放射線医療のためのシミュレーション基盤の開発
高野 直樹 大阪大学 大学院工学研究科 生産科学専攻 助教授 生体骨医療を目指したマルチプロフェッショナル・シミュレータ
長嶋 雲兵 (独)産業技術総合研究所 グリッド研究センター 総括研究員 グリッド技術による大規模高精度分子軌道計算技術の開発
久田 俊明 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授 医療・創薬のためのマルチスケール・マルチフィジックス心臓シミュレータの開発

総評 : 研究総括 土居 範久(中央大学理工学部 教授)

 シミュレーション技術は、従来の理論・実験とは異なる新しい研究手法を実現し、科学技術のブレークスルー・国際競争力の強化に資する基盤技術として、その重要性が高まっています。しかし、さらなる技術の発展のためには、シミュレーションや可視化のための新しいアルゴリズムの開発、高機能・高性能でしかも信頼性や安全性の高いシステムの開発が必要とされます。
 本研究領域は、計算機科学と計算科学の連携によるシミュレーション技術の革新と、信頼性や使いやすさを視野に入れた実用化の基盤を築くことを目標としています。
 本年度はチーム型研究(CRESTタイプ)と個人型研究(さきがけタイプ)について募集を行い、チーム型研究については43件の応募が寄せられました。これらの提案を7人の領域アドバイザーと共に書類選考を行い、特に内容が優れた13件を面接対象として選考しました。面接選考においては、研究のねらい、新規性、独創性、研究計画、主体性の他、特に、分野横断的な共通基盤に寄与する研究開発を含み、シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築に貢献が期待できる研究提案を重視し、6件を採択しました。
 採択課題については、生体医療から材料科学、計算科学までを含む幅広い分野からの採択となり、いずれも研究目標を明確に定めており、計画も具体的であることから十分な成果が期待できるものと考えています。また、今回は民間の研究者からの提案が1件採択でき、更なる産業技術の発展に資することを期待しています。
 今後、分野横断的な研究がシミュレーション技術の基礎基盤構築を担い、将来のシミュレーション技術として医療分野や情報産業へ大きな貢献がなされることを強く期待します。
 今年度は昨年度と比較して倍率が高かったこともあり、優れた提案であっても残念ながら採択に至らなかったものもありましたが、研究提案をさらにブラッシュアップし、ぜひ来年度も挑戦してほしいと思います。

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This page updated on September 18, 2003

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