氏名 |
所属機関 |
所属学部・学科など |
役職 |
研究課題名 |
菊谷 仁 |
大阪大学 |
微生物病研究所 |
教授 |
セマフォリンによる免疫調節機構の解明と免疫制御への応用 |
坂口 志文 |
京都大学 |
再生医科学研究所 |
教授 |
制御性T細胞による新しい免疫制御法の開発 |
笹川 千尋 |
東京大学 |
医科学研究所 |
教授 |
病原細菌の粘膜感染と宿主免疫反応抑制機構の解明とその応用 |
山中 伸弥 |
奈良先端科学技術大学院大学 |
遺伝子教育研究センター |
助教授 |
真に臨床応用できる多能性幹細胞の樹立 |
総評 : 研究総括 岸本 忠三(大阪大学大学院生命機能研究科 客員教授)
『免疫難病・感染症の新たな治療技術の創製を目指して』
免疫学は、20世紀後半の生命科学分野で最も進展した領域の一つであり、その成果は、免疫・アレルギー、感染症、癌に対する画期的な治療法や医療の創製につながることが期待される。本研究領域では、その画期的な先進医療の実現を目指して、"ちょっと遅れて流行を追う"というような研究ではなく、ユニークで創造性に富み、しかもその研究成果が新しい診断・治療技術の開発につながっていくような、研究者の個性の現れたロマンのある研究提案を期待し、平成13年度からスタートしたものである。
本年度の募集では、国公私立大学のみならず独立行政法人や公益法人の研究者から52件の応募があり、従前にも増して、国際的に高く評価されている研究者からの優れた提案が多数寄せられた。日本が本研究領域で世界を先導していることを強く実感させるものであった。これら52件の提案は5名の領域アドバイザーにお願いして書類審査を行い、特に優れた11件を選定して、1件30分ずつの面接を行った。
面接では、研究の背景、独創性、新規性、研究の進め方、研究体制等の点から質疑応答を行い、提案課題の採択に関する検討を行った。採択に際しては、研究内容がユニークで創造性に富んだものであること、かつ研究計画が具体的に示され5年間で目標達成が十分に見込めること、加えて先端的医療技術の創出に繋がる成果が期待され、社会に貢献すると考えられるものに重点をおいた。
その結果、
「セマフォリンによる免疫調節機構の解明と免疫制御への応用」、
「制御性T細胞による新しい免疫制御法の開発」、
「病原細菌の粘膜感染と宿主免疫反応抑制機構の解明とその応用」、
「真に臨床応用できる多能性幹細胞の樹立」
の4課題が採択された。これらはいずれも国際的に見て非常に高いレベルのものであり、研究成果は世界をリードする先進医療の実現への貢献が十分に期待できるものであった。このほかにも多くの興味ある提案があった。
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