成果概要
東洋の人間観と脳情報学で実現する安らぎと慈しみの境地[1] データ駆動モデル化
2024年度までの進捗状況
1. 概要
データ駆動で個性のタイプ分けをするモデルを構築するために、その構築の基礎となる「軽重ミックスデータベース」(図1)の構築を開始した。具体的には、「軽」の部分を構成するアンケート・質問項目、スマホによる日常行動計測において、調査する項目を策定し、1回目の大規模調査を完了した。「重」の部分を構成する脳画像データの計測実験を実施した。

2. これまでの主な成果
研究開発課題1:データ駆動によるモデル構築
- (1)「軽重ミックスデータベース」の基本的なデザインの策定
- 研究開発課題2・3と共同で策定した「軽い」データである個人特性に関する質問項目について、オンラインアンケートの本調査を3,800名に実施した。さらにアンケート調査回答者より行動計測実験対象者141名を対象に行動計測調査を実施した。またアンケート調査回答者より25名を対象にfMRI実験を実施した。これにより第1期大規模調査を完了し、質問調査10,565名、日常行動・経験サンプリングによる行動データ433名分を取得した。
- (2) 安らぎと活力に関する個性のタイプ分けを行うモデルをデータ駆動で構築
- 課題3と協働し策定した脳データのプロトコルを用いて25名に対してfMRI実験と、認知機能を測定する行動バッテリー、意思決定の個人特性を調べるための行動課題を実施した。また、それらのデータを構築したデータベースシステム(XNAT)へ格納した。これにより合計51名分のMRIデータを所得し、「軽い」データと合わせて、第1期軽重ミックスデータベースの構築が完了した。
研究開発課題2:インターネット・スマホを用いた大規模調査
研究開発課題2・3および研究開発項目3(社会実装T)と共同してオンラインアンケートならびに行動計測実験の本調査を3,800名に実施した。さらにアンケート調査回答者より行動計測実験対象者141名を対象に行動計測および経験サンプリング実験を実施した。(図2)。

研究開発課題3:データ駆動型解析の最適化
開発済みの要素技術である健常者における階層的教師あり-教師なし学習において最適とされた160本の安静時機能結合において再検査信頼性・安定性を詳細に評価した。160本の結合(FC)を用いたクラスタリングモデルを比較し、尤度トップ1000個のモデルを図3左上に示す。次に尤度トップ20個のモデル間でクラスタリングの安定性を示す指標(ARI)を検討したところ、トップ4-20のモデルは他のモデルとの相同性が非常に高く一般性の高いモデルであることがわかった(図3右上)。ARIが最も高いモデルを最適モデルとして選択し、クラスタリングを行った(図3下)。先行研究から抑うつ症状や、うつ病の治療反応予測にかかわると考えられてきた前頭頭頂・体性感覚ネットワークが大きく貢献することが示された。


3. 今後の展開
「軽重ミックスデータベース」を用いたタイプ分けで、安定した個人特性のタイプを見出す。