プロジェクト紹介

概要
気象制御を実現するためには、精度の高い予測が必要です。特に台風においては、(1)台風強度予測精度が悪い、(2)自然現象と台風制御効果とを見分ける事が難しい、という2つのボトルネックがあります。本プロジェクトでは、台風を模倣する大型室内実験水槽を用いて、台風下の海面を通しての運動量・熱の輸送機構の解明と、運動量・熱の輸送量の定式化を行い、ひいては2つのボトルネックの解決を目指します。
制作:兵庫県立大学
終了時(2024年)のマイルストーン
風速40m/s及び吹送距離30mまでの範囲において運動量・熱フラックスを誤差20%にて測定しフラックスの定式化を行います。また、数値モデルおよび本経験式を用いて、海面状態を変化させた時の台風強度予測計算を行い、台風強度(台風の最大風速)を5%以上変化させる事ができるかどうかを調査します。

研究開発項目ごとの成果概要
- 1. 高風速時の温度勾配および水面波を伴う気液乱流場の作製・制御
- 2. 新規のフラックスモデルを使用した台風シミュレーションの実施と台風制御法の提案
- 3. 高風速時の海面を通しての運動量輸送機構の解明
- 4. 高風速時の海面を通しての熱輸送機構の解明
研究開発テーマ構成
- 研究開発項目1課題1:高風速時の温度勾配および水面波を伴う気液乱流場の作製・制御
- PI:高垣直尚(兵庫県立大学)
- 台風シミュレーション水槽を使用した台風制御法の調査を実施

- 研究開発項目1課題2:新規のフラックスモデルを使用した台風シミュレーションの実施と台風制御法の提案
- PI:松田景吾(JAMSTEC)
- 台風強度精度検証と台風制御法の調査を実施

- 研究開発項目2課題1:高風速時の海面を通しての運動量輸送機構の解明
- PI:鈴木直弥(近畿大学)
- 海水面を通しての運動量フラックスを測定

- 研究開発項目2課題2:高風速時の海面を通しての熱輸送機構の解明
- PI:岩野耕治(岡山理科大学)
- 海水面を通しての熱フラックスを測定

課題推進者リスト
高垣 直尚 | 兵庫県立大学 大学院工学研究科 准教授 |
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鈴木 直弥 | 近畿大学 理工学部 教授 |
岩野 耕治 | 名古屋大学 大学院工学研究科 助教 |
高垣 直尚 | 兵庫県立大学 大学院工学研究科 准教授 |
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松田 景吾 | 海洋研究開発機構 付加価値情報創生部門 地球情報科学技術センター 副主任研究員 |
鈴木 直弥 | 近畿大学 理工学部 教授 |
岩野 耕治 | 岡山理科大学 工学部 機械システム工学科 准教授 |
代表機関
兵庫県立大学
研究開発機関
兵庫県立大学、近畿大学、岡山理科大学、海洋研究開発機構
PDFダウンロード
- 実施状況報告書 2022年度版(1.7MB)