成果概要
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多様な環境に適応しインフラ構築を革新する協働AIロボット[5] 河道閉塞緊急調査のシステムインテグレーション
2025年度までの進捗状況
1. 概要
本研究プロジェクトでは、「協働AIロボットシステムによる、多様な環境に適応したインフラ構築」の実現を目指しています。本プロジェクトでは、特に自然災害の一つである河道閉塞への対応を念頭に、現場で活用可能なロボットシステムの実現を具体目標として設定しています。この目標のもと、「河道閉塞緊急調査のシステムインテグレーション」、「河道閉塞応急復旧作業のシステムインテグレーション」、および「河道閉塞対応を支える技術」の三分野において、研究開発を分担して進めています。このうち、河道閉塞緊急調査では、現場の迅速な状況把握が不可欠です。必要とされる情報には、現場の画像情報に加え、水位、地形形状、地盤強度などが含まれます。しかし、対象環境は主に山間部に位置するため、これらの情報を人が現地で取得することは容易ではありません。そこで本プロジェクトでは、ドローン技術を中心とした各種データの遠隔取得技術の開発と、これらのデータを集約するシステムの実現を目指して研究開発を進めてきました。河道閉塞環境における緊急調査技術およびデータ集約システムの概観を図3に示し、以下に2025年度における「河道閉塞緊急調査のシステムインテグレーション」の主な成果を示します。

2. これまでの主な成果
本研究開発項目では、2024年度に引き続き、2025年度においても、プロジェクト概要の図1に示した河道閉塞災害対応シナリオにおける緊急調査/モニタリング(上段)の各技術を統合した緊急調査システムの研究開発を継続するとともに、実フィールドにおける情報取得試験を実施しました。
本システムは、ドローン空撮により取得する画像および三次元地形情報の収集技術(国際航業株式会社が担当)、ドローンによる遠隔設置を用いた湛水部の水位・水深調査技術(東京大学が担当)、ドローンによる遠隔設置を用いた地形変位調査技術(千葉工業大学が担当)、および河道閉塞崩壊部のリスク評価技術(東京大学および理化学研究所が担当)により構成されます。さらに、取得したデータや評価結果は、Cesium(Cesium GS, Inc.が提供する3D地図プラットフォームであり、国土交通省のPLATEAU(日本全国の都市デジタルツイン実現プロジェクト)にも採用)を用いた情報共有プラットフォームに集約されます。構築した緊急調査システムの検証のため、2025年6月に中越地方の芋川において、ドローン空撮試験およびドローンによるセンサデバイスの配備とデータ取得実験を実施しました。
この中でも、特に、地形変動把握を目的とした三次元レーザ距離センサシステムについては、防水性能を確保するとともに、設置後に計測を妨げない展開機構を備えたセンサ吊り下げ用ジグを開発しました。このセンサシステムは、新潟県長岡市芋川流域、群馬県浅間山片蓋川の砂防堰堤、および九州大学に構築した模擬河道閉塞フィールドにおいて、ドローンによる運搬・設置・計測実験を実施することで技術およびシステムの基本的な機能・性能が実証されました(図4)。



また、情報の集約および災害対応クルーとの共有を目的として、三次元地図空間情報システム上に本システムで計測した災害状況を再現する技術の開発・改良を行いました(図5上)。本年度は、立野地区および九州大学試験フィールドで得られた試験結果を本システムに登録しました。本システムでは、水深計測結果、地形計測結果、ならびに建設機械の進入可否を判断するための地盤強度試験の結果(図5下)に加え、環境評価AIを用いた斜面崩壊の危険度評価結果などを集約し、災害対応クルーと共有できることを確認しました。
3. 今後の展開
本プロジェクトは、2025年11月末で終了しましたが、各種デバイスならびに、情報共有プラットフォームは、国総研や国土交通省砂防課と協議を行い、これを活用していく道筋を検討しています。今後、これらの技術を発展させ、社会実装を進めていく計画です。