成果概要
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ウイルス-人体相互作用ネットワークの理解と制御[1] ウイルス感染ネットワークの解析
2025年度までの進捗状況
1. 概要
各種ウイルス感染症に対してin vitroおよびin vivoの感染モデルを構築し、感染後の宿主応答ネットワークを網羅的なオミクス解析によりデータベース化しました。多様なウイルス種における横断的解析を行い、共通する宿主応答ネットワークの抽出を進めるとともに、ヒト臨床データとの相互フィードバック解析を推進しました。

2. これまでの主な成果
重症呼吸器疾患に関わるウイルス感染モデルの高度化を図り、SARS-CoV-2感染動物モデルを用いた解析では重症化に関与する宿主応答ネットワークや候補バイオマーカーの抽出を進め、特定の阻害剤による重症化抑制効果を確認しました。さらに、インフルエンザウイルス、RSウイルスなどの呼吸器ウイルスや、腸管・出血熱ウイルス等の感染モデルの構築も完了させました。

3. 今後の展開
前半5年で確立した、多様なウイルス感染動物モデル(呼吸器および非呼吸器ウイルス等)と網羅的な多層オミクス解析・高度イメージング技術による多層的なデータ蓄積の成果を、後半5年の革新的基盤テーマである「114-1:非呼吸器感染モデルを活用した臓器横断的宿主応答データの統合・比較解析」 および 「111-1:宿主応答パタンに基づく治療標的候補の体系的抽出と優先度付け」 を駆動する強力なトランスレーショナル・エンジンとして最大限に展開します。
具体的には、前半5年で構築した動物モデル等による基盤的研究をさらに発展させ、動物モデルで同定された宿主応答パタンや重症化バイオマーカーの知見を、全国多施設から収集するヒト臨床検体データと直接照合し、科学的な妥当性を検証する「相互フィードバック解析」を強力に推進します。これにより、呼吸器・非呼吸器を問わない臓器横断的な宿主応答の共通原理と疾患特異的な差異を数理AI技術によって客観的に定義し、基礎研究と臨床現場の間に立ちはだかる「死の谷(Valley of Death)」の克服を目指します。
さらに、これらの取り組みは個別の研究に留まらず、バイオと数理が連動した「タスクフォース体制(横串パイプライン)」のもとで一元的に推進されます。動物モデルから見出された「いつ・どの宿主因子を標的とすべきか」という知見は、ヒトでの再現性検証を経て、既存薬候補を含む先生介入戦略へと変換されます。この一連のプロセスを確立することで、単なる創薬標的の同定にとどまらず、共同臨床試験の成立や産学連携を通じた民間資金獲得を促進することで産学連携展開につなげ、未知のウイルス(Disease X)の脅威をも見据えた「究極の層別化医療」の社会実装を加速します。