プログラム紹介

吉田 善章PD 写真

目標102050年までに、フュージョンエネルギーの多面的な活用により、地球環境と調和し、資源制約から解き放たれた活力ある社会を実現

プログラムディレクター(PD)吉田 善章自然科学研究機構 核融合科学研究所 所長

プログラム概要

フュージョンエネルギー(核融合反応によって生まれるエネルギー)を実用化するためには、安定的なエネルギー発生システムを実現するイノベーションと、そこで起こる複雑現象を高精度で予測できる科学知を確立する必要があります。
フュージョンエネルギーの様々な応用技術が実装された2050年の社会からバックキャストし、本研究開発プログラムでは、その鍵となる課題解決に挑戦する研究開発を実施します。幅広い科学技術分野と協力することでフュージョンエネルギーの社会実装を駆動する破壊的イノベーションの創出を目指します。

PDからのメッセージ

「2050年の社会を地球環境と調和しながら活力あるものにするために、フュージョンエネルギーという新しい技術を手に入れる」このことを目指して、目標10が策定されました。フュージョンエネルギーの実用化は、70年余りにわたって世界中の研究者や技術者が結集して挑戦してきた大きな夢です。その早期実現が求められる中、本研究開発プログラムでは、フュージョンエネルギーの研究開発を加速できる革新的な技術を生み出す役割を担っています。この重要な任務を遂行するために、幅広い専門分野の研究者や技術者が力を合わせた研究開発プロジェクトを立ち上げ、2050年までにさまざまな場面でフュージョンエネルギーが活用される社会の実現を進めていきます。

プロジェクト、プロジェクトマネージャー(PM)一覧

2024年度採択

プロジェクトマネージャー(PM) 奥野 広樹(理化学研究所 仁科加速器科学研究センター 核変換技術研究開発室 室長)
奥野 広樹 PM 写真

革新的な加速器技術を導入することで、フュージョンエネルギー開発に変革をもたらします。高エネルギーかつ高出力のアンペア級ビーム加速器技術を確立することで、大量の中性子発生を可能にし、核融合炉材料の開発を加速します。また、自動サイクロトロン共鳴加速器を用いてイオン入射・加熱を行い、小型核融合炉の成立性を検証します。これにより、燃料自給可能な社会、高レベル放射性廃棄物を増やさない社会、フュージョンエネルギーと共存する社会、そして深海や惑星間移動などの未踏空間での活動を支援する未来を目指します。

プロジェクトマネージャー(PM) 木須 隆暢(九州大学 超伝導システム科学研究センター センター長)
木須 隆暢 PM 写真

革新的な高温超伝導線材の量産技術や、中性子照射耐性を有し、外乱に対しても安定で、運転に液体ヘリウムを必要としない超伝導マグネット技術を確立することで、核融合炉への高温超伝導の適用を早期に実現し、核融合炉の小型化や経済性の向上を図ります。そのために、40テスラ級の高温超伝導コイルならびに大容量導体を実証します。また、医療・モビリティ-など核融合以外の分野への波及効果を促進し、日本の超伝導技術の国際的な優位性と人材育成を実現します。

プロジェクトマネージャー(PM) 星 健夫(自然科学研究機構 核融合科学研究所 教授)
星 健夫 PM 写真

フュージョンエネルギーシステムの設計や性能試験をデジタル空間で実現するため、デジタルプラットフォーム上でバーチャルラボラトリ(仮想実験室)を構築します。そのために、革新的なAI/データ駆動科学技術を用いて、物理量が複雑に絡み合ったプラズマの状態などをデジタル空間で高精度に再現する計算手法を確立します。これにより、多大な時間とコストを要する試作機の開発や性能試験などのプロセスを大幅に削減し、多様なフュージョンエネルギーシステムのコスト削減と早期実現を目指します。

アドバイザー

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山田 弘司 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授
安藤 晃 東北大学 高等大学院機構 特任教授
上田 良夫 追手門学院大学 教授
柏木 美恵子 量子科学技術研究開発機構 那珂フュージョン科学技術研究所 上席研究員
近藤 寛子 合同会社マトリクスK 代表
常田 佐久 千葉工業大学 天文学研究センター 所長
服部 健一 ヘリシティX 代表
森井 孝 京都光華女子大学 健康科学部 教授
山崎 泰規 理化学研究所 客員主管研究員
山田 道夫 京都大学 数理解析研究所 特任教授

*副構想ディレクター(サブPD)

関連情報目標10のプレスリリース、イベントなど

お問い合わせ

国立研究開発法人科学技術振興機構 ムーンショット型研究開発事業部 目標10 担当

e-mail moonshot-goal10メールアドレスjst.go.jp