プロジェクト紹介

奥野 広樹PM 写真

目標10 研究開発プロジェクト(2024年度採択)革新的加速技術による大強度中性子源と先進フュージョンシステムの開発

プロジェクトマネージャー(PM)奥野 広樹理化学研究所 仁科加速器科学研究センター 核変換技術研究開発室 室長

概要

核融合分野へ新たな加速器技術を展開させることで、フュージョンエネルギー開発にパラダイムシフトを生み出すために、革新的加速器技術の大強度化及びコンパクト化を実現します。
大強度化のためには、革新的なアンペア級ビームの加速器技術を確立し、核融合材料照射施設(IFMIF)を上回る中性子量を発生させ、核融合炉材料の開発を加速します。
コンパクト化を実現するためには、自動サイクロトロン共鳴加速器により加速されたイオンを直接プラズマに入射・加熱することで、ビーム駆動型の小型核融合炉の成立性を検証します。
これらの研究開発プロジェクトの実現により、「燃料を輸入に頼らず自給できる社会」、「高レベル放射性廃棄物を増やさない社会」、「核融合炉と共存できる社会」、「人類未踏の空間(深海や惑星間移動等)での活動を支援するエネルギー源」がある未来社会を目指します。

2034年までのマイルストーン

【アンペア級ビーム加速器技術の開発】

フュージョンエネルギーにパラダイムシフトを起こす加速器の実現のために、革新的加速器の全体設計を完了します。

【自動サイクロトロン共鳴加速器の開発】

核融合システムの多様性を実現するために、ビーム駆動核融合システムの基本設計を実現します。

2029年までのマイルストーン

本格的な研究開発を実施する前に、以下の内容に関するフィジビリティスタディを行い、本格的な開発研究を開始するための判断事項とします。

核融合分野やビーム分野の研究者と検討を進め、核融合の早期実現に向けてインパクトが大きい貢献となるように、魅力のある加速器としての適切な目標パラメータ、タイムライン、達成目標を決定します。

アンペア級ビーム加速に関しては統合数値シミュレーションにより成立性を検証し、自動サイクロトロン共鳴加速器ではプラズマ入射において効率の良い入射が可能であることを数値シミュレーション上で実証します。

これらの検証で有効性が確認された後に、アンペア級ビーム加速器技術や自動サイクロトロン共鳴加速器の開発などを本格的に開始します。

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