プロジェクト紹介

目標10 研究開発プロジェクト(2024年度採択)多様な革新的炉概念を実現する超伝導基盤技術
プロジェクトマネージャー(PM)木須 隆暢九州大学 超伝導システム科学研究センター センター長
概要
「高温超伝導を用いた高磁場超伝導マグネットの破壊的イノベーションによって、トカマク型核融合炉の小型化、他の炉形式への展開、他分野への社会実装に貢献します。」
- 高性能・高品質の高温超伝導線材の量産技術を確立することによって、サプライチェーン戦略に貢献すると共に、液体ヘリウムフリーの高温超伝導マグネット技術でフュージョンエネルギーの勝ち筋を掴みます。
- 高温超伝導を用いた40テスラ※1級の超高磁場コイルを世界に先駆けて実証し、巨大な電磁力、中性子照射の耐性に優れたコイル技術を開発することによって、トカマク型核融合炉の小型・高性能化や新型核融合システムの新しい可能性を拓きます。
※1:磁場の強さの単位、主流となっている医療用MRIの磁場強度は1.5テスラ - 液体水素技術との連携によって、液体ヘリウムフリー小型核融合炉の社会実装に加え、医療・バイオ、モビリティなどフュージョンエネルギー以外の分野において超伝導応用を加速し、カーボンフリー発電と資源の制約から解放された高度エネルギー利用を実現する社会を目指します。
- 線材から炉開発に至る研究開発を企業と一体となって推進することによって、技術レベルの押し上げ、サプライチェーン構築、高度専門人材の育成と獲得を実現し、日本企業の優位性を確立します。
2034年までのマイルストーン
【高性能REBCO※2線材量産技術】
- 高い均一性をもつ高品質の高温超伝導線材の量産技術を確立し、サプライチェーンの優位性を築きます。
※2:希土類系銅酸化物高温超伝導材料、液体窒素温度(-196℃)以下で超伝導状態(電気抵抗ゼロ)になります。
【コイル設計・製造技術】
- 高温超伝導線材を用いた40テスラ級磁場発生技術ならびにメートル級実規模導体を実証します。
- 巨大な電磁力と中性子照射に対する耐性、クエンチ※3保護を可能とするコイル設計技術と実規模の導体・コイル製作技術を確立します。
※3:何らかの原因で超伝導状態を維持できなくなる現象

2029年までのマイルストーン
【高性能REBCO線材量産技術】
- AIを用いたプロセスインフォマティクスを用いた高性能線材量産技術を確立します。
- ※小型核融合炉1基の建設を見通せる線材(液体水素温度(-253℃)、20テスラの条件)の量産技術を実証
- ※現在の金属系超伝導線材と同程度の線材コストを見通せる技術
- ※AIを活用したデジタルファクトリー技術を実証
【超高磁場マグネット】
- 超高磁場コイルを製造するための要素技術を確立します。
- ※中性子照射耐性をもつ無機絶縁材コイルの試作
- ※高温超伝導を用いた40テスラ/外径300mmの小規模超高磁場コイルを実証
【コイル設計・製造技術】
- 高温超伝導導体及びコイルの設計技術を実証します。
- ※無機絶縁の作製と絶縁評価・検証
- ※構造材の機械特性試験と検証
- ※クエンチ保護技術の実証
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- プロジェクト概要(319KB)