成果概要
最終更新日:
アバターを安全かつ信頼して利用できる社会の実現[4] E³LSI課題・政策展開・CA的行政評価制度の構築及び運用
2025年度までの進捗状況
1. 概要
日常的にサイバネティック・アバター(CA)を利用するアバター生活の展開に必要な諸課題を克服するとともに社会的受容性を確保するため、E3LSI「倫理的・経済的・環境的・法的・社会的課題(Ethical, Economic, Environmental, Legal, and Social Issues)の略称:イーキューブ・エルシ」研究基盤の構築を目指して、以下の課題に取り組んでいます。
- 1. 倫理的課題(Ethical):
- CA研究開発課題の連携(ソシオCAと体内CAを包含する概念拡張と倫理的課題の解決)
- 2. 経済的課題(Economic):
- CA労働と経済活動(労働環境の変化分析)、CA計量経済学(社会的影響評価と受容性の国際比較研究)
- 3. 環境的課題(Environmental):
- サイバーフィジカル・サステナビリティ・センター(CPSセンター)の設置運用
- 4. 法的課題(Legal):
- E3LSI課題・政策展開の研究(CA認証・公証に必要な制度基盤の構築)、サイバネティック・アバター法の醸成に関する研究、CAの知的財産保護及び社会的・政策的展開
- 5. 社会的課題(Social Issues):
- 全課題を通じたCAの社会的受容性確保と社会実装に向けた研究
2. これまでの主な成果
1. 倫理的・法的課題
CAマーク(登録商標第6877578号)を開発し、高度なマイクロ文字や電子透かし技術を実装しました。EXPO2025大阪・関西万博「いのちの未来」パビリオン内の展示ロボットに貼付しCA適合性評価制度を公表しました(図1)。新保史生「AI規正論2.0 - 適合性評価制度の展開と統合認証の実現に向けて」情報通信政策研究9巻2号(2026)にて、製品認証とマネジメントシステム認証を統合した「統合認証」の実現に向けた枠組みを提示しました。学術体系書として、君嶋祐子、田中浩之、麻生典編著『サイバネティック・アバター(CA)と法』(弘文堂、2025)を刊行しました。研究成果の社会発信として、平将明デジタル大臣(当時)を招き内閣府と共同開催した能動的サイバー防御法に関するシンポジウム、欧州委員会のMcGrath委員を招きEU駐日代表部と共同開催したAIとプライバシーに関する国際シンポジウムを実施しました。 6月にユニドロワ本部にて、シンポジウム“The Digitalised World and the Transformation of Private Law: Cybernetic Avatars and Beyond”を開催し、世界各国の法律家に対して検討成果等を提示しました。マネジメントシステム規格(JIS Q 42001:2025)の策定を支援し、認証・公証制度の法的基盤構築に貢献しています。

2. 経済的課題
CAと労働について、ゆとり指標開発のための家計調査を実施し、CA実装に向けた個々人のデータを取得したほか、CAの普及に伴って失われる職種とそうでない職種について定量的に分析を行いました。 CAによってなくなる仕事とそうでない仕事について、日本における特許と求人情報の関連性から定量的に分析しました。
3. 環境的・社会的課題
持続可能なAI「SustAInability」概念を提唱しました。グリーン転換とデジタル転換の融合研究を国際的に展開しました。「アイデンティティの保護とその制約」「同意と自己決定」を中心にE3LSI論点を整理し、精神(人格)と財産(経済)の両側面を横断する研究枠組みを構築しました。日本科学未来館で市民向けイベントを実施し、CAの社会的受容向上に貢献しました。文献検索・可視化、テキストマイニング、感情分析、時系列解析、3D俯瞰表示の機能を備えたCA研究動向DBを構築し、国内外の研究開発・政策動向を包括的に分析できる基盤を整備しています。
3. 今後の展開
EXPO 2025でのCAマーク実装による適合性評価制度の社会展開、各国研究者との連携強化によるグローバルなE3LSI研究基盤確立を進めます。CA社会受容性向上/安全・安心な利用環境構築を加速させます。