低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2014-PP-03

太陽光発電システム(Vol.2)
—定量的技術シナリオを活用した高効率シリコン系太陽電池の経済性評価—

概要

 本稿は、高効率タンデム型結晶シリコン系太陽電池を対象に、LCSで分析してきた定量的技術シナリオの構築手法を活用し、コスト低減のための重要技術開発項目と達成目標時期について評価したものである。既報では、種々の太陽光発電システムを対象に、コスト構造を分析した定量的技術シナリオを構築し、2030年までの道筋を示してきた。本稿では、その定量的技術シナリオを活用し、コスト低減に必要な技術検討の結果を示した。

 資源制約を考慮した場合に優位性の高い結晶シリコン系太陽電池を対象とし、高効率化によるコスト削減効果を評価する。コスト低減の技術として、シリコンウェハの薄型化と高効率化の技術を検討した。薄型化には切削技術の向上によるコスト低減の効果を示した。また、高効率化の実現のため、タンデム構造にした際のコスト削減効果について分析した。タンデム構造のトップ層の材料については、ペロブスカイト(ペロブスカイト構造を持つ有機無機ハイブリッドの結晶)、有機、カルコパイライト型化合物半導体(CIGS: Copper Indium Gallium Selenide)を想定し、製造コストの違いを明らかにした。さらに、トップ層については、低コストとなる製造技術(塗布など)と廉価な材料(有機系)を定量的に評価し、達成目標と課題を明確にした戦略技術開発の重要性を示した。

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