戦略目標
安全かつ快適な”人とAIの共生・協働社会”の実現
研究総括

和泉 潔(東京大学 大学院工学系研究科 教授)
概要
本研究領域では、信頼性・公平性・安全性等を考慮しながら、AIと人の共生や多様なAIの連携を可能とする技術の発展及びそれらを基にした複数の人と複数のAIによる協働の実現を目指します。
今後、AIがさらに高度化・多様化していくと見込まれる中で、人と多様なAIの協働に向けた多角的な取り組みが期待されている一方、高度化したAIが無秩序に乱立することで、実世界における予期しない振る舞いや人間の制御が及ばなくなるリスクや粗悪なAIや悪意のあるAIが社会に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。本研究領域では、これらの期待や課題に対応するために、情報科学技術の知見だけでなく、社会学、心理学、経済学といった人文・社会科学の知見を高度に融合し、学際的なアプローチによる取り組みを進めます。
具体的には、(1)人とAIが安全かつ快適に共生し、ともに成長するために必要となる技術・知見の獲得、(2)多様なAI同士それぞれの特徴を活かしてサイバー・フィジカル両面で協働するために必要となる情報科学技術の創出、(3)複数の人とAIが協働することでよりよい社会につなげるための理論体系や関係する個別要素技術を統合して仮想空間や実フィールドにおいて評価する手法の構築、等の課題に関わる研究開発を推進します。領域および研究課題の推進にあたっては、AIのリスク管理や規制のあり方に関する国際的な標準や展開も見据える等、国際的な動向を踏まえて取り組みます。
なお、本研究領域は文部科学省の人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティ統合プロジェクト(AIPプロジェクト)に参画します。
本研究領域は、文部科学省の選定した戦略目標「
安全かつ快適な”人とAIの共生・協働社会”の実現」のもとに、2025年度に発足しました。
領域アドバイザー
荒井 幸代 |
千葉大学 大学院工学研究院 教授 |
今井 倫太 |
慶應義塾大学 理工学部 教授 |
伊藤 孝行 |
京都大学 大学院情報学研究科 教授 |
植田 一博 |
東京大学 大学院総合文化研究科 教授 |
大澤 博隆 |
慶應義塾大学 理工学部 准教授 |
川村 秀憲 |
北海道大学 大学院情報科学研究院 教授 |
関根 聡 |
国立情報学研究所 大規模言語モデル研究開発センター 特任教授 |
東中 竜一郎 |
名古屋大学 大学院情報学研究科 教授 |
村上 祐子 |
立教大学 大学院人工知能科学研究科 教授 |
森田 千絵 |
(株)東芝 総合研究所 研究開発企画部 統括部長 |