戦略目標
新たな半導体デバイス構造に向けた低次元マテリアルの活用基盤技術
研究総括
齋藤 理一郎(東北大学 名誉教授)
概要
本研究領域では、令和5年度戦略目標「新たな半導体デバイス構造に向けた低次元マテリアルの活用基盤技術」に基づいて、グラフェンや遷移金属ダイカルコゲナイド物質に代表される2次元物質やナノチューブ、ナノワイヤーに代表される1次元物質(以下ナノ物質)を用いた半導体デバイスを近未来に活用するための基盤技術を構築します。
ここで基盤技術とは、生産性の向上において波及効果が大きい基本原理・技術を指します。具体的には、ナノ物質を用いた半導体ウエハー・デバイス作製と動作回路の構築、ならびにナノ物質に特化したデバイスの動作原理を指します。対象はナノ物質を用いた半導体です。電界効果トランジスタ(FET)論理回路、フレキシブルデバイス、pn/ヘテロ接合素子、熱電素子、太陽電池、LED発光・受光素子、THz遠赤外素子、化学/生物物質センサー、人工筋肉、MEMSなど様々なデバイスを対象とします。素子単独だけでなく回路・システムとして総合的に構築し、実用に向け「死の谷(注:基礎研究と実用の間にある困難を象徴する言葉)にかける橋」を目指します。
システムを構築するために、研究実績のある研究者間で異分野の融合チームを組み、高度な基礎学理に基づき、ナノ物質材料の創製と提供、デバイス作製、回路構成等の成果を研究期間前半で創出し、さらにプロセス技術も含めて、将来の実用に繋がる次世代の革新的半導体基盤技術を創出します。
本研究領域は、文部科学省の選定した戦略目標「
新たな半導体デバイス構造に向けた低次元マテリアルの活用基盤技術」のもとに、2023年度に発足しました。
領域アドバイザー
大淵 真理 |
科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー |
押山 淳 |
名古屋大学 未来材料・システム研究所 特任教授 |
尾辻 泰一 |
東北大学 電気通信研究所 教授 |
片浦 弘道 |
産業技術総合研究所 ナノ材料研究部門 首席研究員 |
楠 美智子 |
名古屋大学 名誉教授 |
小久保 研 |
産業技術総合研究所 ナノカーボンデバイス研究センター 総括研究主幹 |
富永 淳二 |
産業技術総合研究所 エレクトロニクス・製造領域付 名誉リサーチャー |
永長 直人 |
理化学研究所 創発物性科学研究センター グループディレクター |
丸山 茂夫 |
東京大学 大学院工学系研究科 教授 |
採択課題一覧
- 2023年度採択課題