ゲノムスケールのDNA設計・合成による細胞制御技術の創出

1.研究領域の概要

 本研究領域はゲノムの構造と機能に関する基本原理(ゲノムの動作原理)の解明とその知見に基づく細胞利用の基盤技術の創出を目指すものです。特に、長鎖DNAの活用を通して細胞の制御を目指すことで生命科学、ゲノム科学、細胞工学などのライフサイエンスのフロンティアの開拓と技術基盤の確立を目指します。
 近年、世界的に長鎖DNAを活用した研究開発が加速しています。これらはいずれも合成生物学の流れを汲むものであり、米国、中国、英国では複数の拠点が形成され、基礎研究や技術開発、ベンチャー企業の育成など戦略的な投資が行われています。しかしながら、各国の取り組みを見ると、細胞を任意に制御するためのゲノムの設計指針にまで踏み込んだ研究開発は少ないように見受けられます。
 そこで、本研究領域では将来的なゲノム設計の基盤技術の構築に向けゲノムの動作原理の解明を目的とした研究開発に取り組みます。ここでは、進展が著しい長鎖DNAの活用を視野に「ゲノムの構造と機能の解明」、「ゲノム設計のための基盤技術」、「ゲノムスケールのDNA合成技術」、「人工細胞の構築」の4つの課題を推進し、ゲノムの複雑な機能と構造に関する知見の創出とゲノム合成や人工細胞に関する新たな技術の構築を目指します。

2.中間評価の概要

2-1.評価の目的、方法、評価項目及び基準

戦略的創造研究推進事業・CRESTにおける中間評価の目的、方法、評価項目及び基準に沿って実施した。

2-2.評価対象研究代表者及び研究課題

2018年度採択研究課題

(1)阿部 洋(名古屋大学 大学院理学研究科 教授)

化学を基盤とするゲノムスケールDNA合成技術の開発

(2)大窪 章寛(東京工業大学 生命理工学院 准教授)

ゲノム完全化学合成を指向した革新的フロー合成法の開発

(3)太田 邦史(東京大学 大学院総合文化研究科 教授)

新規ゲノム再編成技術と長鎖DNA合成を活用したゲノム改修技術の開発

(4)香月 康宏(鳥取大学 染色体工学研究センター 准教授)

ヒト/マウス人工染色体を用いたゲノムライティングと応用

(5)白髭 克彦(東京大学 定量生命科学研究所 教授/所長)

機能的人工染色体の設計と利用のための革新的研究

(6)末次 正幸(立教大学 理学部 教授)

人工ゲノムのセルフリーOn chip合成とその起動

(7)杉本 亜砂子(東北大学 大学院生命科学研究科 教授)

生殖システム進化を駆動するゲノム変化の原理解明と操作

2-3.中間評価会の実施時期

2021年9月10日(金曜日)

2-4.評価者

研究総括
塩見 春彦 慶應義塾大学 医学部 教授
領域アドバイザー
朝倉 陽子 味の素(株) 研究開発企画部 シニアマネージャー
石井 浩二郎 高知工科大学 環境理工学群 教授
今井 由美子 医薬基盤・健康・栄養研究所 感染病態制御ワクチンプロジェクト プロジェクトリーダー
岩崎 信太郎 理化学研究所 開拓研究本部 主任研究員
戎家 美紀 EMBL Barcelona Group Leader
岡﨑 寛 理化学研究所 創薬・医療技術基盤プログラム プログラムディレクター
小比賀 聡 大阪大学 大学院薬学研究科 教授
角谷 徹仁 東京大学 大学院理学系研究科/情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 教授
北島 智也 理化学研究所 生命機能科学研究センター 副センター長/チームリーダー
菅野 純夫 千葉大学 未来医療教育研究機構 特任教授
鈴木 勉 東京大学 大学院工学系研究科 教授
二階堂 愛 東京医科歯科大学 難治疾患研究所 教授
横川 隆司 京都大学 大学院工学研究科 教授
外部評価者
該当なし  

※所属・役職は令和4年3月末のものです。

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