環境変動に対する植物の頑強性の解明と応用に向けた基盤技術の創出

1.研究領域の概要

 本研究領域では、フィールドにおける植物の環境応答機構の包括的な理解に基づき、実用植物を分子レベルから設計する技術の確立に資する研究を推進します。具体的には、環境変動にロバストに応答する植物の特性を定量的に把握し、生長や機能の人為的な制御を可能とする新技術の確立を目指します。また、出口戦略の観点から主として実用植物を対象とし、機能マーカーやDNAマーカーなどの生物指標の同定やそれらを活用した新しい植物の開発等を試みます。
 具体的な研究開発は、分子レベルで得られた知見のフィールドまでの利用を念頭に置き、以下の3つを柱とします。1)植物の環境応答機構に関する高精度定量解析に関する研究、2)植物の環境応答機構に関するモデルの構築、3)遺伝子群の人為的再構築によって生じる植物の形質評価。
 研究領域の推進では、植物の多様な機能の定量的な把握、各種大規模データの解析やモデル化とその実証が求められることから、植物生理学に加え、育種学、生態学、統計学、情報科学、そして工学等の様々な分野の参画を促します。また、これらを包含する研究領域の総合的な運営により異分野連携を進めていきます。さらに、戦略目標の達成に向けた成果を最大化すべく、さきがけ研究領域「フィールドにおける植物の生命現象の制御に向けた次世代基盤技術の創出」、および研究領域「情報科学との協働による革新的な農産物栽培手法を実現するための技術基盤の創出」とも連携した運営を行っていきます。

2.中間評価の概要

2-1.評価の目的、方法、評価項目及び基準

戦略的創造研究推進事業・CRESTにおける中間評価の目的、方法、評価項目及び基準に沿って実施した。

2-2.評価対象研究代表者及び研究課題

2015年度採択研究課題

(1)工藤 洋(京都大学生態学研究センター 教授)

フィールド・エピジェネティクス:環境変動下での頑健性の基盤

(2)永野 惇(龍谷大学農学部 講師)

野外環境と超並列高度制御環境の統合モデリングによる頑健性限界の解明と応用

(3)三宅 親弘(神戸大学大学院農学研究科 教授)

活性酸素生成抑制システムの非破壊評価系の確立とフィールドへの応用 ~危機早期診断システムの構築~

(4)三宅 亮(東京大学大学院工学系研究科 教授)

フィールド向け頑健計器と作物循環系流体回路モデルによる形質変化推定技術に関する研究

(5)柳澤 修一(東京大学生物生産工学研究センター 教授)

フィールド環境での栄養応答ネットワークによる生長制御モデルのプロトタイプ構築

2-3.中間評価会の実施時期

2018年度(2018年12月4日(火曜日))

2-4.評価者

研究総括
田畑 哲之 (公財)かずさDNA研究所 所長
領域アドバイザー
芦苅 基行 名古屋大学生物機能開発利用研究センター 教授
伊藤 隆司 九州大学大学院医学研究院基礎医学部門 教授
太田 啓之 東京工業大学大学院生命理工学研究科 教授・バイオ研究基盤支援総合センター長
金子 俊一 北海道大学大学院情報科学研究科 教授
木立 尚孝 東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授
酒井 隆子 みかど協和(株) 代表取締役副社長
佐藤 和広 岡山大学資源植物科学研究所 教授
高木 利久 東京大学大学院理学系研究科 教授
田中 良和 サントリーグローバルイノベーションセンター(株) 上席研究員
福岡 浩之 タキイ種苗株式会社研究農場 次長
外部評価者
該当なし

※所属および役職は評価時点のものです。

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