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- [数理・情報] 令和3年度採択課題
富士通(株)
富士通研究所
研究員
本研究では、探索問題の側面から量子計算と古典計算の間にある計算能力の差を解明することを目指します。探索問題の計算量理論は、経済学や人工知能などの幅広い分野へ影響を与えてきた研究分野です。これまで古典計算の上で進められてきた探索問題の計算量理論の知見を踏襲し、量子計算量理論へ拡張することで、量子計算量に対する新しい解析手法を開拓することを試みます。
東京工業大学
情報理工学院
助教
IoT技術の発展に伴い、群ロボットや交通システムなど、多数の要素から成る大規模システムをいかに制御するかが重要な課題になっています。本研究では特に、システムの各要素を所望の状態に効率よく制御・輸送する方法を開発します。最適輸送・制御理論のアイデアを融合、発展させることで、その手法を構築します。さらに、制御に用いるデータの不確かさを陽に考慮することで、実社会での適用を可能にすることを目指します。
京都大学
大学院情報学研究科
助教
音声対話システムの「人間らしさ」を、ユーザのマルチモーダルなふるまいから間接的に評価するモデルの実現に取り組みます。ユーザのふるまいが人間どうしの対話のそれにどの程度近いかを参考とし、これを人間目標型評価と呼びます。また、評価結果の根拠を説明することができるモデルについても検討します。最後に、この評価機能を音声対話システムへ実装し、提案する評価方法の妥当性を対話実験により検証します。
情報・システム研究機構
国立情報学研究所
特任研究員
近年の機械学習の発展に伴い、機械学習のアルゴリズムに対してプライバシー・公平性・安全性など様々な要求が出てきています。確率的プログラムや微分可能プログラムとして書かれた機械学習のアルゴリズムの自動検証の新しい手法を、(1)プログラム論理や篩型システムなどの既存の自動検証を圏論的意味論を用いて一般化し、(2)確率的プログラムや微分可能プログラムに合わせた設定で具体化することで、手法の獲得を目指します。
名古屋大学
大学院情報学研究科
助教
本研究では列挙アルゴリズムの理論と実用のギャップの要因である出力数による計算コストの増加の解決を目指します。列挙では少なくとも出力数に依存した時間が必要です。出力数は膨大なため、効率良い列挙でも膨大な計算コストが必要です。そこで、本研究では出力数を調整可能にするため、順序制約つき列挙に着目します。これにより出力の網羅性と計算コストのトレードオフを実現し、利便性の高い列挙のための基盤技術開発を行います。
東京科学大学
情報理工学院
研究員
一般に三次元形状データ間の類似性を精密に評価する手法は、CADや物理シミュレーション等の従来領域に加え近年のデータ科学の著しい発展によりその重要性を増しています。本研究では幾何学的対象をSchwartz超関数として捉え、三次元形状データ解析の新たな枠組みを計算調和解析学を道具として低レベルの基本要素から構築し、精度と効率性を兼ね備えた当該分野における新しいスタンダートの確立を目指します。
広島大学
大学院先進理工系科学研究科
准教授
複雑な紐状物質の構造やその構造と物質との関係性を解明することが本研究の目的です。そのため、様々な紐状物質に対して適用できるようなトポロジカル指標を与えることを目標としています。トポロジカル不変量や確率論的手法を用いたトポロジーの基礎研究を行うとともに、応用研究へ向けた基礎の構築を目指します。
東京工業大学
工学院
助教
本研究では、大きくモデリングとアルゴリズムの両面から混合整数半正定値最適化問題を効率的に解く枠組みを開発します。まず、解きたい問題を整数格子上で凸関数を最小化する問題に書き換えるモデリング技術を開発します。続いて、再定式化した問題を解く切除平面法を設計し、問題の疎性を活用した計算により切除平面法全体の計算量を削減し、大規模問題に対しても高速で動作する解法を設計します。
熊本大学
半導体・デジタル研究教育機構
准教授
本研究では、代数的手法などをもとに、圧縮センシングにおいて重要となる、square-root bottleneckを超えるRIP行列の明示的構成を行います。また、先行研究や代表者らによって与えられた結果を踏まえ、構成した行列のRIPの評価をもとに、擬ランダム性の研究、Ramsey理論、加法的組合せ論といった組合せ論的な研究分野における問題に統一的にアプローチします。
東京大学
大学院工学系研究科
大学院生
本研究では三次元積層SRAMを用いた高効率なAI推論処理アーキテクチャを研究します。積層SRAMの低レイテンシ性やランダムアクセス性を積極的に活用し、プルーニングされたスパースなAIモデルでも効率良く処理できるアーキテクチャの実現に挑戦します。ICの三次元集積とAIのプルーニングという集積回路技術とアルゴリズムの協調によってポストムーアでもスケール可能な次世代コンピューティングの創造を目指します。
秋田大学
大学院理工学研究科
助教
正則可測性は「正則言語で極限的に近似可能」という自然な概念であり、数学的にもカラテオドリ条件と呼ばれる測度論の言葉を用いて自然に特徴づけることができます。本研究では、まず正則言語の局所多様体Cに対し「C可測な正則言語全体」の構造を明らかにし、その上で「正則可測な文脈自由言語全体」などのより上位の言語クラスの可測性の理論に発展させます。また、正則可測性という概念の他分野への応用可能性についても考察を行います。
東京科学大学
情報理工学院
助教
プログラミング言語分野では、型と命題、プログラムと証明の間に成り立つ対応関係が古くから知られています。本研究では、この対応関係に基づいた音楽自動生成ツールを開発します。アイディアとしては、作曲規則を型として表現し、プログラム合成器を用いて型が付く音楽を合成します。これにより、理論的な正しさが数学的に証明された音楽を自動生成することが可能になります。
日本電信電話(株)
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
研究主任
ノイズや欠損を伴うような不完全なデータから、物理ダイナミクスを高精度にシミュレーション可能な深層ニューラルネットのベイズ学習法の確立に挑みます。ハミルトン力学では、ダイナミクスは相空間上の軌跡として表されます。本研究では、不完全データからの学習を実現するために、相空間上におけるデータの確率的生成モデルを新たに考案し、それに基づく学習アルゴリズムの導出、および、計算機実験による検証を行います。
東京大学
大学院情報理工学系研究科
助教
逐次的意思決定問題とは、逐次的に得られる情報をもとにユーザがある種の意思決定を行う数理モデルのことです。近年では、意思決定の際に大量の行動の選択肢が得られ、手に入る情報の多様化が進んでいます。しかし、既存の理論的な性能が担保された方策は、現実的な設定において本質的に実行が困難であり、さらに、数値的性能が低いことが知られています。そこで本研究ではこれらの問題が解決された方策の考案を目指します。
東京大学
大学院総合文化研究科
助教
「ハイパーパラメータ値やデータ前処理方法を何通りも試し、実験的に最良の値や方法を見つける」という取り組みは、機械学習システムの開発において一般的です。本研究では、このような機械学習における試行錯誤を効率化する自動キャッシュ技術の開発に取り組みます。開発した技術は Jupyter Notebook 拡張として実装し、実用できる形で公開予定です。
産業技術総合研究所
人工知能研究センター
主任研究員
混合音から各音源信号を抽出する音源分離は、様々な音メディア処理システムの前処理として利用できます。汎用的に使用可能な音源分離を実現するためには、標本化周波数などの後段のタスクで要求される様々な音響的条件下でも頑健に動作する必要があります。本研究では、深層学習モデルを信号処理の観点から解釈することで、標本化周波数に非依存な層を構築し、汎用的な音メディア処理用深層学習フレームワークの実現を目指します。
理化学研究所
革新知能統合研究センター
特別研究員
深層学習による生成モデルは人が本物と見間違うようなデータを生成することが可能です。一方、人は稀少な事例やデータ化が難しい事例を知識として利用できます。本研究提案はEnergy-based Modelと呼ばれる生成モデルに注目し、人の知識を取り込むことで多彩かつ柔軟な生成を行う生成モデルの開発、応用に取り組みます。
東京大学 大学院学際情報学府 大学院生
振り付けなどの身体的な動作を学ぶ際に動画を使うのはよく知られた手段です。10秒前への巻き戻しや複数の動画との見比べ等は動画学習環境ならではの良さです。こうした特徴を対面学習環境にも適用するために、対面者の動作情報を編集可能にするソフトウェア技術の開発を行います。「動画」と「対面」の各特徴を活かしつつ実空間の時空間データである動作情報とインタラクションできる情報環境を実現し、有用性を示します。
早稲田大学
大学院基幹理工学研究科
大学院生
End-to-End音声認識とは、音声からテキストへのダイレクトな変換を深層学習により実現する手法です。本研究では、テキスト情報が有する「文字」や「単語」といった言語の構成単位に着目し、言語表現を階層的に組み上げる音声認識モデルを構築することで、認識精度のさらなる向上を目指します。本研究により、音声から言語理解に有用な特徴の抽出が可能となり、音声対話といった音声理解システムへの応用が期待できます。
理化学研究所
革新知能統合研究センター
基礎科学特別研究員
ロバスト性と汎化性能は、誤予測リスクの低減を通した信頼性の高い機械学習の実応用に必要不可欠な性能です。しかし、これらはトレードオフ関係にあることが分かっており、また、その理論的性質および緩和方法は、限定的なモデル・タスク・汚染データ下での解明・開発に留まっています。本研究では、より普遍的なトレードオフの理論的メカニズムを解明し、ロバスト性・汎化性能を両立する学習アルゴリズムの構築を目指します。
京都大学
大学院情報学研究科
助教
本研究では、システム制御理論の可到達性解析を確率動的システムに拡張することに取り組みます。可到達性解析は、システムが時間発展によって取りうる状態を解析する問題です。本研究では可到達性解析に最適輸送理論などの知見を取り入れ、システムが取りうる確率分布の解析を可能にすることによって、確率的に振る舞うシステムの高度な性能保証を目指します。そして、深層学習に応用し、深層学習の性能保証の実現を目指します。
兵庫県立大学
大学院工学研究科
助教
本研究では、適切な電気料金の設計のために需要家の分散型エネルギー資源(DER)への投資の経済性を分析するためのモデル化法を開発します。DERの運用に関する需要家の短期的な意思決定とDERの新規導入に関する長期的な意思決定のマルチスケール性を適切に扱う手法を整備することで、直観的な感度分析が可能となるようなモデル化法の確立を目指します。
産業技術総合研究所
人間拡張研究センター
研究員
本研究では、心理物理学実験を通した随意運動と不随意運動の力発揮量の人間知覚の数理モデル化と、筋電気刺激に最適な筋肉上の部位を運動中にも刺激できるようにする適応的電極選択装置の開発を行います。また、両者を組み合わせて、運動中に外部からのアシストや運動介入があるにもかかわらずその介入を感じにくい、いわば運動介入を透明化するシステム(運動誘導システム)の数理モデル・設計手法を提案します。
富山大学
学術研究部工学系
講師
量子暗号は、現在使われている暗号と異なり、究極の秘匿通信を達成する暗号として実用化が期待されています。一方で量子計算は、古典計算を凌駕する計算能力を秘めており、近年では量子計算機のクラウド利用も始まっています。本研究では、量子暗号通信の高効率化や、クラウドの量子計算機を安全に利用できるようにする研究を行うことを通じて、現代の技術で開発可能な装置を用いた高効率で安全な量子情報処理の実現を目指します。
東京大学
大学院情報理工学系研究科
特任助教
本研究では、木材の表面の画像から内部構造を推定する手法を提案します。次に、推定した内部構造を活用するような、MATERIAL-AWARE インターフェースを提案し、 ファブリケーションに応用します。このインターフェースを使用すると、必要十分な木材の有効活用が期待でき、よりスマートな材料の使用により、より高品質の木製品を製作できます。
東京工業大学
情報理工学院
助教
制約が非凸非平滑関数で表される制約付き問題の研究は困難であり、始まったばかりです。本研究では、機械学習やシステム同定などの分野における多くの重要な応用問題を含む広いクラスの問題に対して、構造化された制約付き最適化モデルを構築し、効率的な解法の開発を目指します。