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- [数理・情報] 令和元年度採択課題
情報・システム研究機構
国立情報学研究所
助教
財産分割, タスク割当, オフィス割当など私たちの日常生活のあらゆる場面において, 公平な資源配分を行う必要があります. しかし, 財の分割可能性が仮定できない場合, 妬みのない配分である無羨望配分は必ずしも達成することはできません. 本研究では,そのような不可分財の公平配分問題について,できる限り妬みを抑える近似的な公平性と社会的な最適性がどのような状況でバランスがとれるのかを解明します.
東京大学
大学院情報理工学系研究科
助教
現在のTDAには複数パラメータの情報を有効に使えない・データの曲がり方などの情報を捉えられないという問題があります.これらの問題に対して二つの新たな幾何的視点からアプローチし,TDA理論の改良と実問題への適用を目指します.1. 層理論を用いて複数パラメータが持つ情報を捉える指標を定義します.2. マグニチュードホモロジーに基づく点群データ解析手法を構築します.
北九州市立大学
国際環境工学部
講師
ネットワークを有する大規模なダイナミカルシステムに対し,省エネルギーの観点から高効率な制御を可能にする時変ネットワーク構造を解明します.そのために,従来のスパースモデリングのアイデアをシステムの制御技術へと発展させ,「動的スパースモデリング」と呼ぶ新たな数理的手法を提案します.社会的課題への応用として,無人機からなるマルチエージェントシステムの設計や,人流・交通流の制御への展開を目指します.
東京大学
大学院工学系研究科
特任助教
大量の文書が実社会に蓄積され続ける中、文書からの知識抽出を容易にする生成型要約の確立が要請されています。しかし、従来法は大量の見本の要約を要するために、実用化が乏しいのが現状です。本研究は文書が有する談話構造やトピック構造などの階層構造に着目し、見本なしに要約を生成する手法を開発します。特に単一文書における教師なし要約生成手法は従来提案されておらず、自動要約の実用化に貢献することを目指します。
東京工業大学
情報理工学院
准教授
近年、深層学習と大規模計算機の相乗的発展により、音や画像の高精度な認識が可能となりました。しかし、現行のシステムは、それぞれが特定の種類のデータに特化したもので、複数種類のデータを横断した意味理解は実現していません。本研究では、音の認識と画像の認識に共通して有効なニューラルネットワークモデルを構築し、その事前学習手法の研究を実施することで、データの種類を横断した汎用的な学習方式の確立を目指します。
東北大学
材料科学高等研究所
助教
レーブグラフの新たな定式化であるレーブ順序は,0次と1次のパーシステントホモロジーの両方を取り入れている等,既存手法にない特徴を持ち理論方面へも応用方面へも大きなポテンシャルを有します.本研究は,安定性・収束性・計算量といったレーブ順序法の基礎を確立し,その定式化の圏論的一般化,計算可能距離付け等の課題を解決していき,位相的データ解析手法としてのレーブ順序法のさらなる応用を目指すものです.
愛媛大学
大学院理工学研究科
助教
東京五輪や大阪万博に向けて、日常会話の機械翻訳の精度向上が急務である。しかし、翻訳器の訓練に必要な100万文対を超える日常会話の対訳データをあらゆる言語対で用意することは困難である。ドメインを限定しなければ大規模な対訳データを利用できるが、訓練データと異なるドメインの翻訳は大きく精度を損なう。本研究では、ドメインに依存せず翻訳器の性能を充分に引き出すために、入力文を翻訳しやすい表現へ言い換える。
北海道大学
大学院情報科学院
大学院生
これまで,ヒトを対象にした社会的ロボットの研究では3者関係における影響評価が行われてきましたが,動物を対象にした3者関係内での社会的ロボットの研究は代表的な伴侶動物であるイヌ・ネコですら進んでいません. そこで,人語および動物語が飼い主-伴侶動物間で日常的にコミュニケーションするうえでしばしば用いられていることに着目し,社会的ロボットの音声に応じてどのような3者関係が構築されるか明らかにします.
同志社大学
理工学部
准教授
複数の学術領域の知識を融合させた研究は,複雑な課題の解決や既存研究の創造的打開をもたらすといわれています.一方,研究分野の細分化と成果出版サイクルの加速に伴い,馴染みのない研究分野の最新成果や問題意識のキャッチアップはますます困難となっています.そこで本研究課題では,分野の知識構造を表すナレッジグラフの時系列を分析し,理論・技術と適用先課題のマッチングを考慮した異分野研究テーマ推薦を目指します.
産業技術総合研究所
人工知能研究センター
主任研究員
ニューラルネットワークモデルの構造や学習アルゴリズムの詳細に依存せず普遍的に成立する数理を構築します. 大規模なネットワークの極限で普遍的に成立する平均場理論やランダム行列理論, Neural Tangent Kernelに基づく学習ダイナミクス解析を利用し, 深層学習の課題であるヒューリスティクスや恣意性の排除, および予測の信頼性保証を目指します。
東京大学
大学院学際情報学府
大学院生
音声によって操作するインタフェースは基本的に誰でも簡単に使える次世代のインタフェースです.しかし発声を必要とするため利用可能な場面やユーザが限られてしまう問題があります.そこで本研究では,発声することなく調音器官を動かし,その時の調音運動を計測・解析することで発話内容を推定する,「サイレントスピーチ」による解決を目指します.またサイレントスピーチを用いたコンピュータ・インタラクションを提案します.
理化学研究所
革新知能統合研究センター
研究員
本研究は,ディープラーニングにおける2つの主要な難問:ラベル付けされた学習データの不足とディープラーニングがどのように機能したのかを探る解析能力の欠如を解決することを目的とします。私達は,ディープラーニングにおいてどのように決定したのかというその判断過程を解釈できるようにし,且つ画素単位のラベル付けを自動で行えるように人の視線とテクスチャ情報を統合した世界初のフレームワークを提案します。
産業技術総合研究所
実社会ビッグデータ活用オープンイノベーションラボラトリ
Postdoctoral Researcher
We propose an integration of 1-Usage of model parallelism to bypass the memory limits 2-Approximate communication design to reduce the communication overhead, 3-HPC design optimized for Deep Learning
東京大学
大学院・理学系研究科
大学院生
スパース動的モード分解(SpDMD)による分子動力学(MD)シミュレーションの解析により,次の課題に取り組む.これにより計算科学と情報科学の融合し,化学反応の時系列データから本質的なダイナミクスを抽出し,物質や反応の設計に資する手がかりの獲得を行う.【課題1】SpDMDによる分子運動の記述子抽出法の確立【課題2】SpDMDによる分子構造変化の記述子抽出【課題3】SpDMDによる触媒探索
東京大学
大学院工学系研究科
特任助教
生体内などにおける自由な電力と情報のやり取りを行うネットワークの構築に向けて、小型機器に対して大きな電力を供給する無線給電システムおよび省電力な通信機構の実現を目指します。その中で受電器の検知が困難な状況における送電装置の制御手法の確立や、無線給電と通信が両立して行われるシステムを開発します。これらを通じ小型機器が「永続的に、協調して」動作するための基盤を構築します。
情報・システム研究機構
国立情報学研究所
助教
読解問題を解くのに必要となる能力がラベル付けされた機械読解データセットを構築することで、システムの性能について精緻な評価指標を与えます。ここで能力は自然言語処理で存立している基礎技術(照応解析・意味役割解析等)を単位とし、問題の作成にあたり自然言語の形式表現体系を新たに提案します。このテストの応用により、実世界における言語理解システムの説明性・頑健性の向上が期待されます。
東北大学
流体科学研究所
准教授
持続的な地下エネルギー資源の開発デザインのために、流れの計測データを用いて複雑な岩石内部のき裂構造を推定するデータ駆動型の逆解析手法を提案します。信頼性の高い学習データの収集には、3Dプリンタを活用した複雑き裂構造の作成と流動実験、ならびに多数のシミュレーションを実施します。複雑な岩石き裂構造は、パーシステントホモロジーを用いて定量化し、計測データとの相関性を評価する機械学習モデルを開発します。
富士通(株)
富士通研究所
研究員
ロボットの実応用が期待される現代において、タスク遂行能力とその動作保証が重要です。本提案では訓練データ領域外の未定義動作を扱うため、安定的な出力を加える最適制御器を参照した学習を行う構造をRNNに組み込みます。理論保証された引き込み動作とタスク動作を切り替えるポイントをRNN内部に設計することで、復帰動作を実現します。最終的にはロボットによるタスク生成に適用し、その成功率を評価します。
京都大学
大学院理学研究科
准教授
幾何学的群論の手法を用いて、理論コンピュータ科学と強い関連を持つマルコフ連鎖の研究を行います。例えば、有限状態マルコフ連鎖の混合時間などの基本的な問題を扱います。数学的に高度な手法が要求される問題に対して具体的な研究を行っていくのが目的です。
理化学研究所
革新知能統合研究センター
特別研究員
本研究は,機械学習の分野において重要な分布族の理論に,表現論の立場からアプローチするものです.正規分布族やガンマ分布族などの”良い”指数型分布族を統一的に扱う枠組みを目指します.そこで,表現論を用いて等質空間上の指数型分布族を系統的に生成する手法を提案しました.この手法により得られる重要な等質空間上の分布族を決定し,近年機械学習分野で重要性を増している負曲率等質空間上への分布族の応用を与えます.
東京大学
大学院情報理工学系研究科
大学院生
生命は変動する環境で生き残るため,経験から学習すると同時に,自然選択を活用しています.前者は学習理論や強化学習,後者は進化計算や粒子フィルタなどを動機づけ,情報学でも重要な対象となってきました.しかしこの学習は,その方法や,自然選択との連関など,生物学・情報学双方で未解決な問題が多く残されています.本研究は,増殖系と隠れ Markov モデル(HMM)の対応から,問題の解明を目指します.
東京工業大学
情報理工学院
大学院生
本研究では,我々がある概念の学習可能性を証明するという行為の計算論的な困難さの解析,及びそれに向けた,新しい理論の構築を目指します.学習可能性の証明困難さを扱うアイデアとして,学習可能性を学習概念クラスの性質として捉え,その証明を学習概念クラスの性質判定問題の一種であるメタ学習問題として定式化することで,その困難さについて,多項式階層や対話証明系などの既存の計算複雑さの理論との関係性を解析します.
富士通(株)
富士通研究所
研究員
1980年代純粋数学において自由確率論が創出された. 高次元統計モデル・ランダム行列を効率的に扱えることから, 無線通信や深層学習などの革新的な情報科学へ広がりつつある. 本研究では, 高次元統計モデルたる深層学習の自由確率論を基盤とした透明な理解という問題を通じ, 従来の確率統計学の適用だけでは見えてこなかった新たな地平を追究する. 主に自由確率論に基づく深層学習の理論解析を狙う.
筑波大学
図書館情報メディア系
助教
本研究では、輝度・色度変調光を用いて映像に情報を埋め込む情報投影技術を用いて、投影対象となる触覚提示デバイスをこの光情報で制御することで、映像に対して時間的・空間的によく整合した触覚重畳技術を創出します。これにより、デバイスを身体に装着する系と環境に埋め込む系の双方について、時間的・空間的に高度に融合した視触覚提示を、任意の映像投影環境に対して適用・拡張可能な形で実現します。
情報・システム研究機構
国立情報学研究所
助教
裁判、広告、選挙活動、ロビイング、オークションなど、社会のさまざまな現象が、説得としてモデル化できます。説得のためのアルゴリズムは、こういった現実の問題に応用される可能性を秘めていますが、これまであまり研究されてきませんでした。本研究課題では、説得の実応用への基礎を築くことを目指し、最適化や機械学習で蓄積された技術に基づいて、未知の受け手を説得するためのアルゴリズムの開発に取り組みます。
北九州市立大学
国際環境工学部
准教授
本研究提案では,動的システムのインパルス応答モデルをデータから構築することを目指します.このモデル構造はパラメータ数が多く多様なシステムを近似できる一方,解釈や説明が容易です.最大の問題はデータが少ない場合への対応であり,そこが本提案の主たる研究内容になります.本提案では,対象に関する周波数領域での定性的な事前知識を正則化へ変換して利用し,少データ問題に対応する方法を確立することを目指します.
日本電信電話(株)
コミュニケーション科学基礎研究所
研究員
これまでのモンテカルロサンプリングでは複数の計算機を使って並列に計算したとしても、互いのサンプルの位置に関しての情報を陽に使わないため、位相空間の探索が必ずしも効率的に行われてこなかった。この問題に対し、サンプルの更新の提案分布の計算を行う際に、サンプル同士の相互作用を導入することでサンプル同士が相関を持つようにし、位相空間の効率的探索を可能にする新たなモンテカルロ法の開発を目指す。
大阪大学
大学院基礎工学研究科
准教授
細胞は周囲の力学環境を感知しその振る舞い(増殖・分化・アポトーシスなど)を大きく変えることが知られ,細胞と力学の因果を明らかにするメカノバイオロジーの研究分野が注目を集めています.本研究では機械学習を用いることにより細胞の顕微鏡画像から細胞の収縮力を測定できるシステムの構築を目指します.細胞収縮力の高速計測を可能にし,次世代メカノバイオロジー研究をサポートする計測プラットフォームを構築します.
九州大学
システム情報科学研究院
助教
深層学習では、全学習データを固定長ベクトルで表現する必要があります。 しかし、3Dセンサから得られる点群データはノイズや欠損を含みやすく、頂点数も物体ごとに異なるため、DNNでは直接扱えません。そこで、点群データをDNNに適したメッシュモデルで再記述する、Denoising & Mesher DNNの構築を目指します。これにより、高品質の学習データを手軽に取得でき、3次元物体認識の精度向上が期待できます。
京都大学
数理解析研究所
助教
プログラムの部分的な変更はプログラミングでは頻繁に行われますが、それでもプログラム全体の実行結果が保たれることを定式化する概念が文脈等価性です。本研究では階層的グラフの書き換え系という数理モデルを用いて文脈等価性の証明手法を確立し、その部分的な自動化を試みます。特に個々のプログラミング言語に依らない一般的な手法を与えることで、言語機能の変更による文脈等価性への影響の統一的な分析を可能にします。