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「未来の科学者」の君たちへ

先輩達の活躍

静岡大学FSS受講生

桐生 有喜さん

研究テーマ:Some notes about power residues modulo prime
(素数を法とする冪剰余について〜メルセンヌ素数のパターン解明と新素数発見を目指して〜)

<研究概要>

メルセンヌ素数の出現はランダムに見えるが、実はパターンが存在するのではないかと思い始めてから、「メルセンヌ素数のパターンを解明したい」と考えるようになった。素数を法とした時の2の冪剰余について明らかにした後、一般的な冪剰余の規則性の解明を目指し、予想を立てては検証をしていった。
 その結果、7つの定理を発見した。冪剰余の新たな規則性を明らかにした。例えば、発見・証明した定理のひとつは、奇素数qが平方剰余になる素数pは4qを法として分類でき、しかも分類した集合は乗法群になると主張する。
 新たな課題を解決することでメルセンヌ素数のパターンを明らかにし、新素数を次々と発見していきたい。

<受講生の本研究での役割>

大学で準備していただいた書籍で知識を得ながら、自宅で予想を立て、検証していきました。行き詰まった時に大学で担当の先生と面談し、予想の証明に関する議論を交わしながら、その完成につなげていきました。

<今後の展望の可能性>

新素数の発見により、RSA暗号が強化される。サイバー空間での安全と、人々の安心な生活に貢献したい。さらに、研究の過程で発見した新定理を基に、これまでにない暗号が開発される可能性があると考えている。また、新しい発見を続けることで、数学の発展に寄与していきたい。

  • 画像:予想を考えている様子

    予想を考えている様子

  • 画像:JSECの科学技術振興機構賞受賞の盾を持った写真 右:受講生本人、左:指導教員メヒア先生

    JSECの科学技術振興機構賞受賞の盾を持った写真
    右:受講生本人、左:指導教員メヒア先生