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「未来の科学者」の君たちへ

先輩達の活躍

宇都宮大学「iP-U」受講生

和泉 瑠菜さん

研究テーマ:Complete genome sequence of a pepper yellow leaf curl Indonesia virus isolated from tomato in Bali, Indonesia
(インドネシア・バリ島のトマトから分離されたBegomovirus属ウイルスの全塩基配列決定)

<論文概要>

植物ウイルスは、植物に感染すると黄化やモザイクなどの病徴を引き起こします。ウイルスはコナジラミなどの虫によって媒介され、東南アジア諸国で問題となっています。この論文では、2019年にインドネシア・バリ島で黄化モザイク病徴を示すトマトが植物ウイルスの一種であるベゴモウイルスに感染していることを明らかにし、ウイルスゲノムの全塩基配列を決定しました。その配列は、既にインドネシアで報告されているベゴモウイルスの配列と類似していましたが、配列データベースにはバリ島由来のベゴモウイルスの配列は登録が無く、本研究が初めての報告となりました。

<受講生の本研究での役割>

インドネシアのフィールドでのサンプリングに参加しました。帰国後、大学の研究室で実験を行い、配列の決定に貢献しました。

<今後の展望の可能性>

バリ島のトマトに感染するベゴモウイルスのゲノム配列はこれまで未知でした。今回、このウイルスのゲノム配列が明らかになったことで、簡易で高速かつ安価な診断法の確立、病徴発現メカニズムや感染可能な宿主植物の探索などが可能となり、新たな防除法の開発に繋がると考えられます。

事務局注:本研究について、論文が国際的な学会誌に掲載されました。

  • 画像:受講生本人

    受講生本人

  • 画像:ナス科植物の葉をサンプリングしている様子

    ナス科植物の葉をサンプリングしている様子