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「未来の科学者」の君たちへ

先輩達の活躍

宇都宮大学「iP-U」受講生

沼野井志穂さん、橋本蒔子さん、橋本苑子さん

研究テーマ
Synthesis of green fluorescent protein chromophore analogues for interdisciplinary learning for high school students
(高校生の分野横断型学習としての蛍光蛋白質発色団モデル分子の合成)

<論文概要>

蛍光蛋白質は、現代の生物学や医学などの研究では、なくてはならないツールの一つです。蛍光蛋白質の内部にある「光る部分」(蛍光発色団)は、この蛋白質を構成するアミノ酸のうち、わずか3つが蛋白質内で自然に反応して出来上がることが知られています。興味深いのは、この蛍光発色団に非常によく似た化合物(モデル化合物)を、人工的にごく簡単な実験で合成することができることです。 iP-Uでは、きれいな蛍光を発する化合物を合成するこの実験を、授業のひとつとして行っています(大庭教授担当)。
 この授業を受講した沼野井さん、橋本蒔子さん、橋本苑子さんの3人は、青く光るモデル色素を合成したいと考えました。しかし、青く光るモデル色素は既に発表されていたことから、研究の方向性を変えて、この実験をモチーフとした、高校生向けの探求型学習テーマを開発することにしました。3人は合成実験だけでなく、インターネットを利用した調べ学習や、コンピューターを用いた計算をしたり、同じ高校生向けに実験講座を開いてみたりしながら、高校生が化学に興味をもつようなプログラムの要素を集めていきました。細かい実験指導や難しい実験は大庭研究室の大学院生が担当し、国際科学誌へ掲載することができました。なお、彼女達3人はこの研究の一部を、第33回化学クラブ研究発表会(日本化学会関東支部、H28/3/29)でも発表しています。

<受講生の本研究での役割>

大学の研究室で実験を行い、自宅や学校で調べものや、原稿執筆を行いました。論文投稿時の追加実験以外は、大学院生の指導の下、受講生が行いました。

<今後の展開の可能性>

今後導入される「理数探究」や課題研究のテーマとして利用可能です。大学教養レベルの実験としても利用できます。また、分野横断型のPBL(IBL)としての特色を活かし、本研究を元に様々なトピックスに発展させることもできると考えています。

事務局注:本研究について、論文が国際的な学会誌に掲載されました。

  • 画像:中央の3名のうち、左から橋本苑子さん、橋本蒔子さん、沼野井さん

    中央の3名のうち、左から橋本苑子さん、橋本蒔子さん、沼野井さん

  • 画像:色素の様子

    色素の様子