研究テーマ
Geologic evidence for coseismic uplift at ~AD 400 in coastal lowland deposits on the Shimizu Plain, central Japan.
(清水平野の沿岸低地堆積物における西暦400年の地震性隆起の地質学的証拠)
静岡県静岡市清水区の海長寺でボーリング掘削を行い、地層・化石記録から堆積環境を復元するとともに、保存状態の極めて良い葉の化石の年代測定から、1854年の安政東海地震と同タイプの大地震が西暦400年頃に発生したことを示す地質学的証拠(駿河トラフ西岸の地震性隆起)を発見しました。さらに、この地震は、最古の歴史地震の684年の白鳳地震より1つ前に起きた南海トラフ大地震の震源域が、南海トラフ東部から駿河トラフまでに及んだ可能性があることを明らかにしました。
ボーリング掘削した堆積物を調べ、膨大な数の分析を行い、軟体動物化石の同定を行ないました。
1978年に制定された大規模地震対策特別措置法により、東海地震を想定した地震防災対策強化地域となった静岡県やその周辺地域の住民は、「いつ地震が起きてもおかしくない」という“警戒状態”に置かれ、40年以上経ちます。本研究は、「東海地震がいつ起きるのか」に答えるための重要なデータの一つを得るとともに、調査地域周辺が大地震の発生間隔を解明することに最適な場所であることを示しました。したがって、同様の研究を調査地域周辺で展開することで、 「東海地震がいつ起きるのか」の回答を出せると期待されます。
事務局注:本研究について、論文が国際的な学会誌に掲載されました。