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光の創成操作と展開
研究者紹介

phase12006.10〜2010.3 phase3
青木 隆朗 芦原 聡  木下 俊哉 櫛引 俊宏 越野 和樹
田中 拓男        
 
  URL: (英)http://naps.riken.jp/tanaka/
 個人プロフィール

【 学歴 】

1996 年大阪大学大学院工学研究科応用物理学専攻博士後期課程修了,博士(工学)(大阪大学)取得

【 研究歴 】

1993 年日本学術振興会特別研究員
1996 年大阪大学基礎工学部電気工学科助手
1997 年大阪大学大学院基礎工学研究科電子光科学分野助手
2003 年(独)理化学研究所研究員
2003 年~2004 年大阪大学大学工学研究科特任助教授(併任)
2005 年(独)理化学研究所先任研究員(河田ナノフォトニクス研究室)
2008年〜(独)理化学研究所准主任研究員(田中メタマテリアル研究室)

−主たる研究内容−
ナノフォトニクス,応用光学,光計測
−趣味−
読書(乱読),インラインスケート,絵画
 研究内容紹介
 自然界には無数の物質が存在しますが、光の世界に限定すると、物質の電磁気学的(光学的)な特性のバラエディは意外と小さくて制約されています。光は電磁場の一種なので、電気の波と磁気の波が共に伝播しています。しかし物質に光を照射しても、物質と相互作用するのは電場の波だけであって、磁場の波は物質と作用しません。”電磁気学”的特性といっても、実際には電気的特性しかないことになります。これは、光の世界では、ほとんどすべての物質の透磁率が真空のそれと変わらないことに対応します。一方、物資の誘電率は物質の種類や光の周波数に応じて様々に変化しますが、これも物質が決まれば自動的に決まるものであって人間が自由に決定できるものではありません。

  本プロジェクトでは、このような物質の電磁気学的な性質を人工的に操作する新しい人工光学材料の創製に挑戦します。ナノサイズの金属構造体を作り、その中の自由電子と光との共鳴振動を利用することで、巨視的な物質の誘電率や透磁率を人工的に制御します。この人工物質は“プラズモニック・メタマテリアル”と呼ばれています(図1)。この技術を使えば。自然界には存在しない物質を作り出すことも可能となり、光の世界における物質の自由度を飛躍的に拡大できます。そして自然界に存在しない物質は、従来の光学理論では説明できない新奇な電磁気学現象も生み出します。

  この方針に沿って、本プロジェクトでは、光の周波数領域で動作するプラズモニック・メタマテリアルを作り出すことを第1の目標に設定します。プラズモニック・メタマテリアルを作るには、3次元的なナノサイズの金属構造を加工する必要がありますが、これは現在の微細加工技術を用いても技術的に困難な要求です。本プロジェクトの前半では、この問題を解決する新しい金属ナノ加工技術の開発を行います。そしてさらにこの新しい物質によって生み出される新奇な光学現象を用いて、例えば物質境界面において光を完全に透過させる光学素子といった、古典光学の範囲では実現し得ない新しい光制御技術の確立へと展開します。

図1  プラズモニック・メタマテリアルの原理

図2  2光子還元法で作製した3次元金属構造体

 

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